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2020年11月21日 (土)

非効率な企業の終焉を速めている

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ニコンがグループ全体の1割にあたる2千人の人員削減に乗り出す。ニコンFからのニコンファンだった愚生には、寂しいものがある。そういう愚生自身も、今持っているカメラはソニーのRX1RX100M5とニコン離れしている。かつて稼ぎ頭だったニコンのカメラ事業が低迷の主因だ。さらに言えば、半導体製造装置事業の主要顧客である米インテルの不振がある。かつて半導体装置の世界シェアが首位だったニコンだが、今や7%ほどと尻すぼみだ。7~9割がインテル向けだったせいで、インテル偏重がもろに業績悪化に影響を及ぼす。最先端の半導体では基板に回路を転写する工程で「EUV(極端紫外線)」と呼ばれる技術に対応した装置が必要だ。しかし、開発コストが多額なことで、ニコンはこの開発から撤退したことが弱体化を加速させた。いずれにしても、インテルが自社工場での生産を減らせば、ニコンの半導体装置の販売減に直結する構図のため浮上はないだろう。2016年3月期に8400億円強あったニコンの連結売上高は、2021年3月期にほぼ半分の4300億円に減る。5200億円あったカメラなどの映像部門が1400億円に落ち込むのが主因だ。その結果、2021年3月期の営業損益は映像部門が450億円の赤字となる見通し。売り上げが半分に落ちれば、損益分岐点を大きく割り込むことは目に見える。いくらなんでも、大幅な人員削減で固定費の圧縮をしなければ、会社の存続自体が難しい。先ごろ発表した構造改革案は、カメラは国内生産をやめてタイに集約するという。しかし、販売人員も削減するから量産効果のある汎用製品を売るのは容易でない。プロや趣味層に絞って規模を縮小しても利益を出せるかどうかは怪しい。愚生が思うに、ニコンもキヤノンも一眼レフからミラーレスへの移行が遅れた。撮像素子がデジタルへの移行なのに、ファインダーが光学プリズムのアナログという中途半端な一眼レフ製品が、未来永劫続くと思っていた責任だろう。一方、愚生が新婚旅行で世話になったJTBは、2020年4~9月期の連結決算で、最終損益が過去最大となる781億円の赤字になったと発表した。業績の急激な悪化をうけ、国内の店舗を統廃合などで115店舗削減する。また、早期退職などでグループ人員を全体の約2割にあたる6500人を削減する方針だ。インターネットの拡販に出遅れたのだろうか、愚生は阪急旅行や「クラブツーリズム」しか使ったことがない。一方、近畿日本ツーリスト各社や「クラブツーリズム」を傘下に置くKNT-CTホールディングスも、個人向け店舗を2022年3月までに3分の1に減らすと発表した。旅行需要が急減し、2021年3月期は前期比6割の減収になる見通しだ。希望退職などでコストを削減するほか、ネット販売の強化など事業モデルの転換で生き残りを目指すという。傍から見ていても、阪急旅行に比べ「クラブツーリズム」は催行中止が多く価格も高い。旅行回数が多い顧客には、不確実性の負担が大きい。その2021年3月期の通期予想は、売上高は前期比64%減の1400億円、最終損益は170億円の赤字の見込みだ。これには、希望退職や店舗の削減などの構造改革に伴う特別損失は予想に含まれておらず、赤字額が拡大するだろう。いずれにしても、旅行大手は全国の店舗数を削減して固定費の圧縮を図る。そして、デジタル化を推し進めて生き残る施策だ。武漢ウイルスの感染拡大で、時流に乗れない非効率な企業の終焉を速めているようだ。

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