お金を借り過ぎればその後の人生は窮屈
2020年度の住宅ローン利用者が完済を計画する年齢は、平均73歳だという記事があった。いくらなんでも年金生活で住宅ローンの返済はきつい。愚生が住宅ローンを使った頃を思いだせば、当時の金利は8%くらいだったろうか。愚生の会社には、住宅ローン補助という低金利の融資があった。それは4%の金利で、800万円くらい貸してくれる融資枠だった。今なら高金利だが、当時は金融公庫でも5.5%の利率だったので超低金利の部類だ。横浜市の郊外、田園都市線沿線のマンションを買うのに、会社から20年ローンで貸してもらった。借りる時に20年後は50歳近くになることを思うと、会社に縛られると思いぞっとした。実際には、会社からの融資だけでは足りずに400万円くらいを三菱銀行から8%の金利で借りた。銀行からの金利は高かったため、数年後に急いで返した気がする。記事では、この20年間で5歳も返済終了年齢が上がったというから、20年前は65歳だったようだ。遅くなった理由は、晩婚化で住宅取得時期が遅れている。更に、市場の超低金利を背景に住宅価格が上昇しているので、60歳時点のローン平均残高は20年間で約700万円から1300万円超に増えているという。しかし、フラット35を使用して固定金利0.6%で35年ローンなど組めば、金利はいくら安いといっても、元金は必ず返さなければならない。仮に30歳で借りても65歳まで返済は続く。少子高齢化で可処分所得が減る中、購入した住宅価格は上昇することはないだろう。耐用年数から言えば、RC構造で47年、重量鉄骨で34年だ。売却しようにも、購入者側は低金利で長期ローンは組めないから、二束三文のような価格でしか取引できないだろう。また、物件購入後の毎年の固定資産税やマンションの大規模修繕費の積み立て、長く住むには一戸建てのリフォーム費用などを考慮すれば結構な経費がさらに必要だ。水回りなどの台所や風呂、トイレは20年もすれば、入れ替えしなければ使用できない。また、内装やボイラーなど言いだせば、建物の枠以外は、総入れ替えになる。戸建ならば、10年おきの外装の塗り替えも必要だ。転売して住み替えるつもりなら、短期の住宅ローンでなければ身動きが取れなくなる。貸出金利が安いからと言って、お金を借り過ぎればその後の人生は窮屈なものになる。サラリーマンの場合は、もっとも収入が高いのは55歳くらいで、それ以降は、順調に働いたとしても役職定年、定年退職、雇用延長終了に伴って確実に定期収入は減少する。住宅ローンなら未だしも、投資として金利が安いからとアパートローンを65歳以上まで組むなど暴挙としかいいようがない。貸す側の責任はないのかと言いたくもなる。
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