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2020年12月 9日 (水)

NHKの報道では価格が大暴騰

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今朝のNHKニュースで、東京に建つタワマンが高騰しているという報道があった。内容は数日前の夜に報道されたものと同じだった。その高騰の理由は、テレワークであっても都心回帰が止まないと結論づけていた。この番組で取り上げた埋め立て地に建つ新築物件は、分譲価格が7400万円から3億円超だった。また、築13年中古マンションでも、分譲時の価格4500万円が8100万円で再版されていると煽っていた。東証REIT指数は、3月に大暴落以降の後、1700ポイント止まりで回復の兆しはない。都心の一部のタワマンが何故上昇するのか本当の理由がわからない。ただ、海外からの不動産マネーが流入していることは事実のようだ。実需があれば、需給の関係で価格が上昇するのだろう。昨今のように、行き場を失った大量の供給マネーが相場を支えているのかもしれない。愚生が経験した1980年代後半の土地バブルも、マンション価格が急上昇したことを思い出す。横浜の田園都市線の急行が止まらない駅だが、物件は駅から徒歩三分と好立地だった。4Fと5Fで同じ広さの物件が3500万円、3300万円でとりひきされた。5F部室を売却した奥さんが、自分より高く売った4Fの法外な価格で売ったと非難していた。売却時期は、双方半年も違っていなかったから、悔しかったのだろう。ところが、その1年後に5F隣りの部室が5000万円で売却された。実に、1年と少々しか違わないが取引価格で1700万円もの差がある。土地値でもそうだが、公示価格や路線価格といったところで、取引が成立しなければ、絵に描いた餅と同じだ。実際に土地やマンションの取引は、売買する売り手と買い手の心理作戦で決まるといしか言いようがない。愚生の僅かな経験から言えば、離婚した共同名義の物件や遺産相続した物件は相場より安く買えた。今回のような武漢ウイルスの感染拡大の中では、引っ越しなどの移動そのものが嫌われる。どう見ても買い手市場になるはずだ。それにもかかわらず、NHKの報道では価格が大暴騰しているという。ただ、厳密な分析を入れて「4500万⇒8100万円」で転売させられたタワマンを考えて見る。販売価格が8100万円というから、利益は20%として1600万円、不動産の仲介手数料や取得税を、約500万円とみる。内装を高級仕様で全面リホームすれば300万から500万円くらいだろう。そう考えて足し合わせると4500万+16000万+500万+500万=7100万円になる。販売価格との差額がよくて1千万円だから、売却価格は4500万円から5500万円以下の売買でなければ成立しない。利益率を強気に30%に引き上げれば、売却価格はほぼ分譲時の価格と変らない。新築物件には必ず利益率30%が上乗せされる。中古物件にも、同様に業者の利益が反映された転売価格となる。実際に利益率30%は、粗利益であって販管費が発生するから営業利益は20%位に下がるだろう。そして、この物件が築13年であることを考えれば、新築物件と単純な比較はできない。13年住んでも購入価格で売れたのであれば、大儲けになる。しかし、転売された8100万円の物件を買う人は、終の棲家であれば問題がない。しかし、そうでなければ将来の出口戦略が描けなくなるだろう。

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