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2020年12月16日 (水)

終活が予想より早く来てしまった

202011261
今朝、渋谷区で発生した大林三佐子さん(64)が頭を殴られて死亡した事件をNHKで検証していた。凶行の現場となった渋谷区幡ヶ谷というから、愚生が若い時に住んでいた場所の近くだ。当時は、東京と言っても都会というよりアパートが多い住宅街だった。事件現場は、京王線(京王新線)の幡ケ谷、笹塚の両駅から数百メートル離れたほぼ中間地点だ。現在は周囲にはマンションやオフィスビルなどが建ち並ぶ。救急隊員らが駆けつけた時には、女性に意識はなく、病院に運ばれたものの死亡が確認された。犯人は現場から800メートル離れたマンションに住む男だった。逃げられないと観念したのか、警察へ母親に付き添われて出頭した。犯人は、「あんな大事になるとは思わなかった。お母さんごめんなさい」というが、言う相手がまちがっている。身構えてもいない人を殴れば予想できたはずだ。調べに対して「まさか死ぬとは思わなかった」と言うが、殺せば殺人罪だ。捜査1課が殺意は立証できないと判断したのは誤りではないだろうか。報道では大林さんがどのような経緯でここにたどり着いたのかを明らかにしていた。普通の老人が仕事を失い、アパートの家賃を払えなくなりホームレスになった。貯えがなくなった初老の人なら、いくらでも辿りそうな末路だ。大林さんは、バスの運行が終わった深夜にベンチに座って仮眠して、始発便までには新宿方面に向けて立ち去った。周囲に迷惑をかけたくなかったのか、トラブルは起こさなかった。大林さんが亡くなった時、「身なりは綺麗で路上生活者には見えなかった」(捜査関係者)というが、所持金はわずか8円だった。持ち歩いていたキャリーバッグと手提げカバンには衣類や食べ物などが詰められていたという。愚生も田舎から東京に出たお上りさんなので、他人事とは思えない。痛ましいとしか言いようがない。検証した報道では、広島市の出身で、結婚した形跡もなく子どももいないという。今から3年ほど前に東京都杉並区のアパートを退去し、スーパーマーケットの販売員を仕事にしていた。しかし、それも今年2月に辞めた。大林さんの身元を特定するのに、埼玉県に住む弟に大林さんに顔を確認してもらった。また、広島県内の介護施設に入っている母親にDNA型鑑定の協力を得たという。現場のバス停には、積み上げられた花束の側にはパンや温かいお茶も供えられていた。武漢ウイルスの感染拡大で失業すれば、誰もが生活困窮に陥る可能性がある。都会に出て、働き口がなく熟女バーなどで接客していた人達も、明日は我が身かもしれない。大阪でも港区築港のマンション一室で、今月、餓死したとみられる女性2人の遺体が見つかった。1人は、住人で職業不詳の女性(42)。もう1人は母親(60歳代)とみられ、死後数か月経過し、体重は約30キロだった。女性の死因は低栄養症による心機能不全だという。死亡が確認された室内の冷蔵庫には、食料がほとんど残っていなかった。こちらは、住む場所があってもお金がなかったのだろうか。いずれにしても、痛ましい事件が多過ぎる。若い頃は、誰しも生きることしか考えていなかった。しかし、武漢ウイルスの感染拡大で終活が予想より早く来てしまったとしかのだろうか。

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