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2021年2月24日 (水)

政府には「しっかりしてくれよ」と言いたい

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昨年は箱根への一泊旅行を除いて、何処へも行かなかった。旅行業界は、青息吐息だと思っていたが、案の定惨憺たる状況だ。JTBは、資本金を現在の23億400万円から1億円に減資する。減資することにより、税制上は中小企業とみなされることで税負担が軽くなる。今期の巨額損失を増資で乗り切るためだ。JTBの2020年4~9月期は781億円の連結最終赤字で、利益剰余金は2020年9月末で799億円とほぼ半減した。10月以降も利用は回復せず、2021年3月期は過去最大の1000億円程度の経常赤字だという。今回の原資で、中小企業扱いとなるため、赤字であっても税負担が必要な地方税を免除できる。この動きは、飲食業界ではカッパ・クリエイトやチムニーなどが1億円への減資を表明している。また、航空業界でもスカイマークが資本金を90億円から1億円に減資する。JTBとは、 Japan Travel Bureau の頭文字をとった社名だ。1963年に財団法人日本交通公社から、民営化して株式会社日本交通公社として創業した。愚生が40年前に新婚旅行に行った時に使ったLOOKというツァーがJTBだった。当時、日本交通公社と言えば、旅行業界では日本最大の事業規模の会社だった。時刻表なども出版していたから、頻繁に購入した記憶がある。旅行業界を取り巻く環境は厳しいとはいえ寂しい限りだ。観光庁によると、JTBの旅行取扱高は2020年5月に前年同月比96%減の51億円まで落ち込んだというから壊滅的だ。業界全体では、12月は海外旅行が主力のエイチ・アイ・エス(HIS)は同87%減、近畿日本ツーリストやクラブツーリズムを傘下に置くKNT-CTホールディングスは同56%減となった。JTBは、早期退職や採用抑制で、グループ全体の中から6500人の社員を減らす。武漢ウイルス禍は1年以上も続き、旅行業界や外食産業などは厳しい状況に追い込まれている。2020年の居酒屋事業者の倒産件数(負債額1千万円以上)も、前年比17.4%増だという。2年連続で過去最高を更新した。負債額別では、小規模倒産が全体の8割を占める。今後は大規模な事業者にも倒産が相次ぐ可能性がある。旅行業界の構造改革では、KNT-CTホールディングスは、個人向け店舗を3分の1に減らす。エイチ・アイ・エス(HIS)は、海外人員を一時解雇などで2019年度に比べて3割削減する。どこもかしこも解雇の嵐だ。還暦を過ぎてから、健脚の内にと方々を旅行した。あの時会った添乗員さん達は、今はどうしているのだろうかと気になる。職業に貴賤はないと言うが、就いた職種によっては人生が大きく揺らいでしまう。巣籠需要で、景気がよい企業は数少ないだろう。日本はワクチン接種が世界でも大きく出遅れている。政府には、「しっかりしてくれよ」と言いたくなる。

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