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2021年2月16日 (火)

「ジョブ型雇用」というなら社長の交代から

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今朝、日経新聞に富士通の成果主義についての寸評があった。富士通は、これまでの人事制度の延長線ではダメだというので、国内約1万5000の管理職を対象に「ジョブ型雇用」を導入するという。ジョブ型はポストごとに職務内容や必要なスキルを細かく規定し、最適な人材を充てる雇用制度だ。労働資源の流動性の高い海外では一般的だが、日本企業の多くはメンバーシップ型と呼ばれる制度を導入している。職務内容が限定されないメンバーシップ型では、社命による異動や転勤といった「ジョブローテーション」を通じて社員を育てる。高度成長期に根付いた新卒一括採用、終身雇用の上に成り立っている制度だ。愚生は富士通の活力は、事業部間の内部競争の中から生まれてきたと思っている。そう考えると、簡単に「ジョブ型雇用」が上手くいくとは思えない。愚生自身も1993年から導入された「成果主義」を体験した。この制度は、年功序列ではなく実力主義で社員を評価するよう改めたものだ。その結果、従業員間の給与格差は拡大したが、開発には活気が出た。そして、勝ち組と負け組がはっきりした。愚生自身は、未だに良い制度だと思っている。その後、2001年からは、結果だけでなく目標達成に向けたプロセスも評価するようになった。成果主義を言いすぎると、リスクを取って仕事をする社員は損をする。しかし、何の気概も持たずに会社にしがみ付く亡霊のような患部社員も多い。「なぜ富士通の成果主義は失敗した」のかといえば、長期な目標に取り組む開発などには適用は難しいからだ。元富士通の城繁幸は「年功序列には手を加えず形だけ成果主義を導入したからだ。若手を中心にやる気がなくなるのは分かりきっていた」というが、できない社員が炙り出されたという面もある。成果主義では半期ごとに上司と面談し、目標達成を上からSA、A、B、C、Eの5段階で評価した。そして、Aが2割、Bは5割と評価の分布比率が事前に決められている。事業部長らが参加する「評価委員会」が機械的に評価を割り振っていたことは事実だ。現実は、会議では発言力の大きい部長が幅を利かす。そして、儲けている部門が評価される。それは当然だろう。そのあおりで製造部門の評価は低かった。ただ、管理職9割が「A」以上というのは事実でない。一般社員と異なり、管理職の9割近くは自動的にA以上の評価を受けていたのは、本社人事部がお手盛りで自部門の評価を上げていたからだ。正確に言えば、不正を働いていた本社人事部が壊した成果主義だ。管理職は降格の不安がないとはいうが、自動的に高評価を得られるというのは本社人事部だけだ。富士通を退社後に、嘘をまき散らす元本社人事部の社員も問題だ。「ジョブ型雇用」を導入するなら、本社人事部のトップや社長をすげ替えるのが最初ではないだろうか。

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