老兵は消えゆくのみ
最近、日経産業新聞に「バス便・郊外」売れるマンションのニューノーマルという記事があった。武漢ウイルスの感染拡大前なら、最寄り駅まで徒歩5~7分圏内で、新宿や渋谷、東京駅へ乗り換えなしの直通で行ける。通勤時間帯での通勤電車の速さが重要だった。ところが、最近の新築マンションの売れ筋物件には、これまでの常識は通用しない。首都圏新築マンションの「将来価値格付け調査」でもこうした傾向が裏付けられたという。その証拠に、千葉県浦安市でバス便物件が売れている。建設予定地はJR新浦安駅からバス13分の場所だから徒歩圏ではない。しかし、坪単価が低い分、専有面積は広く平均の専有面積は96平方メートルもある。東京23区平均の1.5倍強もある。在宅勤務の普及で、狭すぎるタワーマンションから引っ越しもあるという。神奈川県海老名市のマンションも、売れ筋だったのは価格5000万円前後で4LDK(75平方メートル)など部屋数が多いタイプだ。同じ価格帯でも、都心では2LDK(50平方メートル)程度だ。神奈川県には、東証1部上場の多くのメーカーの開発センターや研究所がある。こうした企業に勤務する30~35歳前後の夫婦は、手狭な住戸では在宅勤務ができない。また、賃貸よりも通信環境が整ったリモートワーク向きの分譲を選択する。テレワークの普及が駅近、最寄り駅まで徒歩5~7分圏内といった考え方を変えたようだ。テレワークでは、会社への出勤は週1~2回が常態化する。会社に行く頻度が少ないからオフィスまで時間はそれほど気にならない。逆に日常的に利用する居住スペースの広さと周辺環境のほうが問題だ。インターネット環境さえ整っていれば日常の業務には支障はない。愚生が知る新築マンションの実行速度は、1Gに限りなく近いので速くて驚かされる。古いマンションではVDSL方式で、電話線を使ってデータ転送を行うため最大速度は100Mbpsまでだ。(VDSL方式は、屋外から引き込んだ光回線をマンション内の集合型回線終端装置まで接続する。集合回線装置から電話線で各戸のVDSL室内装置まで接続する。そして室内のパソコンとはLANケーブルで接続する)100Mbpsも速度が出れば、一般的な使用には問題はない。というか、有線接続では古いマンションの実行速度はこれ以上望めない。愚生がサラリーマンをしていた時代と違い、少子高齢化が進み人口が減少し始めた。住宅ローン金利もデフレデで大幅安となった。そして、働き方やマンション価値の量り方も大きく違ってきた。つくづく老兵は消えゆくのみだと思うようになる。
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