人は都合のよい情報だけが耳に入る
マイクロソフトが発表した2021年1~3月期決算は売上高が前年同期比19%増の417億600万ドル(約4兆5300億円)だった。クラウドサービスの利用拡大が続き、純利益は44%増の154億5700万ドル(約1兆6759億円)。クラウドサーバー「Azure(アジュール)」やリモートワークの浸透でテレワークアプリ「Teams(チームズ)」などのクラウド関連事業の売上高が33%増の177億ドルになった。チームズの利用者数は1年前の約2倍にあたる1億4500万人に拡大した。1~3月期はアジュールの売上高が前年同期比50%増、「オフィス365(企業向け)」は22%増えた。新型ゲーム機「Xbox」も業績の底上げに寄与した。全社の売上高・純利益ともに市場予想を上回り、いずれも1~3月期として過去最高を更新した。しかし、翌日の株価の引けは▲2.83%下がって安く売られた。材料出尽くしで売られたのだろうか。業績がよくても決算発表後に売られることは多い。ところで、過去10年間のS&P500指数の上昇率が200%であるのに対し、ハイテク企業であるマイクロソフトの株価は730%上昇している。現在の時価総額はマイクロソフトが1兆9,000億ドルだ。マイクロソフトは職場向けのソフトウェア市場で優位性を維持し、クラウドコンピューティング部門のアジュールやビジネス中心のソーシャルネットワークであるLinkedInなど、収益性の高い事業にも参入している。マイクロソフトはクラウドベースのサービスに移行して以降、この数年で多くの事業が2桁台の成長を見せている。アジュールはマイクロソフトのインテリジェントクラウド部門に含まれており、アジュールのみの売上高は分からないが、インテリジェントクラウド全体の売上高は前年同期比23%増の146億ドルとなっている。また、米陸軍に18万2,000個のHoloLens(ホロレンズ)拡張現実ゴーグルを提供するという、数十億ドル規模の契約を締結した。多くの事業が順調で、マイクロソフトは今後も好調のようだ。愚生に限らず、人は自分に都合のよい情報だけがフィルターを通して耳に入る。愚生もマイクロソフトの株を持っているせいで、自然とそうなるようだ。ただ、インターネット企業は逆風が吹くと案外もろいことも多い。グーグルもセキュリティーの甘さで、ブロックチェーン技術が普及すると危ういと言う声が聞こえる。例えば、アップルのようにブラウザのクッキーをブロックすれば、受け取った情報を分析できなくなる。また、ユーチューブ動画でのCMが多過ぎてイライラする。フェイスブックやインスタグラムも同様だろう。これほど多くのCMが入るなら、目障りなため何れは廃れていくような気もする。そう考えれば、基盤部分を担うマイクロソフトの方が遥かに安定しているような気がする。そう思うのは、良い知らせしか耳に入らない愚生だけだろうか。
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