終活の一環として
かれこれ二十年弱の間盆栽を弄っていた。盆栽を始めたのは、仕事に対するストレスから自分を解放したかったからだ。盆栽の次はバラ栽培、そして菊栽培や野菜つくりと手を広げていった。カトレアやエビネラン、ムサシアブミ、アツモリソウと多くの植物を育てた。また、畑にする宅地を買って50坪程度の菜園も作った。どのくらいの腐葉土や牛糞、鶏糞を搬入して土地つくりをしただろうか。東京郊外で、固定資産税を払っての採算を度外視した畑だった。しかし、退職後はストレスがないせいか自然と意欲が沸かなくなった。そのせいで、畑(宅地)を売却して自宅の地植えの植物と数鉢の盆栽に規模を縮小した。肥料をふんだんにやるせいで、地植えの庭の木々はどんどん大きくなった。そのつど、可哀そうだが手に負えなくなった樹から伐採していった。今の庭には、アツモリソウやエビネラン、バラ、牡丹、芍薬、梅、柊、南天、コデマリ、つつじ、椿など過去から生き残った木々が残っている。しかし、歳を重ねるうちにいずれはマンション暮らしになるような気がする。そうであれば、盆栽なども処分しなければと思ってきた。愚生も多くの盆栽を購入してきたが、図体だけは大きくなった。しかし、盆栽としての価値を下げたものが多い。水やりも億劫になってきたので、 送料程度の価格でヤフオクに出店した。売れるとは思わなかったが、買い手がついてしまった。諸費用の持ち出しでマイナスになったようだが、20年弱も水やりをした盆栽には、なにかしら愛着もあった。つくづく廃棄しなくて良かったと思う。
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