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2021年5月10日 (月)

「大衆は常に間違っている」

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アメリカの投資会社の「投資すべき米国株・投資してはいけない米国株2021年5月号より」という広告があった。その中で、昨年最も話題になった銘柄の一つがテスラだという。1年前に100万円を投資していたら、約506万円にもなっている。今年1月末に発表された決算で初の通期黒字化を達成した。1年前にそのことを知っていれば買ったが、今から買おうとは思わない。この株の現在の評価は「C」(投資しないほうがいい)だという。評価の中身を見ると、Reward(利益性)はBと高評価ですが、Risk(変動性)がDと低評価だ。確かに、EVも普及してくれば、競争は激化するだろうから安泰とは言えない。テスラは、初の通期黒字化というが、実は利益の多くを「排出枠の販売益」が占めている。要するに、本業以外の切り売りで儲けている。車の販売ではまだ黒字化していないようだ。2020年以降、株価は大きく成長しているが、本業で黒字化できていないことを考えると、今投資するのはリスクが大きいと評価している。愚生も全く同様だと思う。一方、日本でも馴染みのある「コカ・コーラ」の評価は、B−(投資すべき)だ。1年前はコロナショック直後だったので2桁利益が出ているが、まだ暴落前の最高値にも戻っていない。それでも、テスラより高評価だ。コカ・コーラは、あまり成長しているイメージがないが、Growth(成長性)評価はテスラと同点とのことだ。コカ・コーラは外食や映画館、イベントなどで飲まれる傾向があるため、コロナの影響を大きく受けた。しかし、最近はアナリストの市場予測を上回るなど、回復の兆しを見せている。どうも、株価がコロナショック前の高値に届いていないから、「今投資すべきか?」という基準で、テスラより高評価だという。そして、「ウィズコロナの真の勝者はマイクロソフト?」と最近、離婚を発表したビル・ゲイツのマイクロソフトを取り上げていた。テスラほどリスクが高い銘柄には投資したくない。しかし、コカ・コーラより成長性のある企業に投資したいという投資家にマイクロソフトを推奨している。マイクロソフトといえば素人目には「Windows」、スマホ化の波に乗れなかった古い企業というイメージがある。しかし、クラウド事業が急激に成長しており、2021年1-3月決算では、純利益が前年同期比で44%も増加している。収益減もソフトウェア販売、サブスクリプション、クラウド、ゲーム、オンライン広告、求人、コンサルティング、デバイス開発と多岐にわたる。実情は、2ケタ成長を続けるグロース株だ。そして、20年連続で増配する有配当銘柄でもある。企業人なら知っているウェブ会議システムの「ズーム」と同じような「Microsoft Teams」というサービスもある。去年の4月末時点におけるシェアだが
・ズーム 35%
・スカイプ(Microsoft)18%
・Teams(Microsoft ) 18%
この中で、Microsoft Teamsとスカイプは共にマイクロソフトが提供しているサービスだ。つまり、ウェブ会議システムでも大きなシェアを持っている。ところで、ウォール街に伝わる株式投資の名言・格言がある。数多く残された中に「大衆は常に間違っている」という格言だ。大衆は多数意見が正しいと思い込み、みんなと同じことをして安心する。しかし、株式投資では多数意見が間違っており、少数意見が正しいということがしばしばある。このため、株式投資においては、大衆は間違うことが多いという。大衆が大挙して株式市場に押し寄せてくれば、「相場は天井」になる。マンションや土地、アパート建設、リゾートマンションでも、大衆が押し寄せて一番儲かりそうに見える時期は、バブルの絶頂期で高値掴みになる。愚生も他山の石としなければならないと自戒する。

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