データーセンターが将来不足
米国の1-3月(四半期)決算は非常に好調な決算だった。しかし、愚生の持株からは、そうしたことをうかがい知ることはできい。S&P500種株価指数を構成する企業の半数以上が決算を発表したが、87%が予想を上回った。しかしながら、これら企業の株価も決算発表後の取引で平均0.2%下落した。米国の5大テクノロジー企業GAFAMの決算が株価指数を押し上げるのに十分でなかったからだろうか。株価のさえない反応は、昨年の新型コロナウイルス感染拡大に伴う業績低迷からではない。その回復期待は、これまで十分に株価に織り込まれているという。もちろん、株価の上げ下げなどは後付け講釈だから何が真実なのかはわからない。どうも、テクノロジーセクター企業への期待は非常に高かったが、それほどでもなかったというのが市場の反応のようだ。ただし、愚生の一方的な予想かもしれないが、データーセンター需要はインターネットの高速化で計り知れない。単純に、5Gで従来となにが違うだろうか。まず、5G(第5世代移動通信システム)では、現在の第4G(LTE)と比べ約10倍の伝送速度が可能となる。また、同時接続できる機器もLTEの100倍となり、遅延に関してはLTEの10分の1程度だ。従来の4Gまでのシステムは、高速かつ大容量の通信を目指していた。しかし、速度や遅延時間などに問題があり、すべての要求に応えることは困難だった。例えば、クラウドサービスにアクセスしデータの分析を行っていたことが、情報をサイバー空間に蓄積し、AIが処理してフィードバックを行うことが可能になる。5Gの通信速度は、10~20Gbpsにまで向上する。インターネットで動画が止まったり、音声が途切れたりすることはない。4Gでは30秒かかっていた映画のダウンロードも、5Gでは約3秒で完了する。通信速度が向上することで、送信と受信を繰り返すことで生まれる遅延も少なくなる。4Gでは10ミリ秒ほどの遅延であったが、5Gでは1ミリ秒ほどに遅延が短縮される。これにより、リアルタイムで遠隔操作することなどが、容易でより正確になる。特に、同時接続できる端末数の増加は、(スマホやPCの通信が主に基地局に収容されている)IoTが普及すればカメラやセンサーなどのさまざまなデバイスも接続可能となる。5Gでは接続できる機器の数を1つの基地局で4Gの100倍が実現できる。あらゆるものがネットワークにつながり、IoT社会の普及を後押しする。そういう世界では、データーセンターがいくらあっても足らない。Eコマースの普及で、物流倉庫のキャパシティーが足らないのと同じだ。IoTが普及すれば、当然、取り扱われるデータ量も爆発的に増える。今クラウドサービスの世界シェアは、30%がアマゾンドットコムのAWSで、20%がマイクロソフトのAzureだ。この二社で、世界の半分のクラウドサービスを独占している。そして、その売上の伸長率がそれぞれ33%と50%だ。今から4年後を想定すれば1.3の4乗で約3倍、1.5の乗なら5倍になる。仮定の話だが、数年先には最低でも現在の3~5倍の容量に膨れ上がる。その進捗率は、いずれ株価に織り込まれてくるだろう。取らぬ狸の皮算用だが楽しみに待とう。
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