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2021年5月19日 (水)

7月末までにはワクチン接種は無理

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愚生は新型コロナウイルスワクチン接種の高齢者枠の予約が取れて、一安心したのだろうか。何か心の余裕ができた。一方、医療従事者のワクチン接種が未だに滞っているという。2月に先行して始まったが、2回接種を終えた完了率は5月14日時点で35%。東京都や神奈川県では28%だ。都市圏では接種率が低い傾向がある。ただし、東京郊外のM市では医療従事者とは名ばかりの、ワクチン接種管理課長までが二回目の接種をうけている。愚生は、「コロナ医療に関わってもいないのにおかしい」と言うと、その課長は「厚労省からの通達で接種を受けて良いことになっている」という。高齢者の接種前に、市民病院の受付や警護の人にまでワクチン接種とは、いかがなものだろうか。医療に携わる医師や看護婦なら納得もいくが・・・。政府は、病院や薬局、訪問看護などで働く医療従事者への接種を優先するという。しかし、必要なワクチンは都道府県に供給されたが、接種がおこなわれていないようだ。配送の仕方は、専用の保管設備のある大規模病院には箱単位(ファイザー製は195本、1本で注射5~6回分)で直送される。そして、そこから周辺の診療所などに小分けされる。政府が公表している接種実績から算出したデータをみると、東京、神奈川、兵庫、山梨の4都県が30%未満。人口が集中し医療従事者も多い都市圏で低く、人口規模の小さい地域で高くなる傾向があるという。都市圏で接種が遅れる背景は、ワクチンが大規模病院で保管されたまま滞留しているからだ。都市圏で接種が進みにくい状況は、関係者が多いため、「いつ、どこに、どれだけワクチンを配送」するのか細かな調整が難航しているからだという。そう言われれば、小分けして正確に送ることは容易ではない。自治体が、診療所など小分けした配送先まで正確にデータを把握するのは至難の技だ。どこに、どれだけのワクチンが滞留しているのかを正確に把握するのさえ難しい。結局、診療所で個別に接種する計画は、配送が複雑でワクチンの廃棄も問題になる。やはり、地域の拠点病院で集団接種することの方が容易なのだろう。医療従事者に行き渡らせるための「司令塔」がこの状態では、高齢者向け接種の進捗はさらに深刻だ。5月17日に予約が始まった自衛隊による大規模接種センターとは別に、川崎市のように独自で大型の会場を設ける自治体も出てきた。首相官邸が公表している5月16日時点の接種実績によると、少なくとも1回の接種を終えた65歳以上の高齢者は全国で約100万人未満だ。首都圏では埼玉、千葉、神奈川の3県で1.5%に届かず、関西圏でも大阪、京都、兵庫が2%を下回る。自衛隊の東京での大規模接種は、5千人/日だ。土日を除いて3ヶ月間で約60日は接種日の確保はできるだろう。しかし、60×0.5万人では、期間で30万人くらいしか接種できない。東京・神奈川・埼玉・千葉の総人口は、日本の約四分の一だ。高齢者3600万人のうち、900万人もが集中している。30万人では、多少効果はあるが絶対的に不足している。7月末までには、工程管理上は可能だろうが、接種は明らかに無理な気がする。

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