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2021年6月 8日 (火)

トヨタ自動車の社風には呆れる

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昨日、パワハラ自殺でトヨタ自動車が和解したニュースが報道されていた。和解金は、トヨタの大卒サラリーマンの生涯獲得金額+慰謝料だから5億円近くになるだろう。自殺の原因がパワハラにあるとする労災認定は、ここ数年で高橋まつりさんの電通、三菱電機、そして今回のトヨタと後を絶たない。毎回メディアで大きく報じられるのに、なぜ同じ過ちを繰り返すのだろうか。愚生もサラリーマン人生を送ってきたから、同様な場面をよく見てきた。今回、自殺に追い込んだパワハラを行った上司にも処分を科したという。しかし、人ひとりが死んでいるのに、この上司は自主退職していないようだ。こうなると、会社ぐるみのパワハラだったのだろう。パワハラの原因は、部下へのストレスの拡散だろう。今回、遺族側代理人によると、男性は東京大学大学院宇宙工学科を修了し、2015年4月にトヨタに入社したエリート社員だ。約1年間の研修を経て、2016年3月に車両設計を担う部署に配属された。その後、直属の上司に「ばか」「やる気ないの」「死んだほうがいい」などと暴言を浴びせられるようになり、同7月から約3カ月間休職した。男性は別のグループに復職したが、上司に近い席で働くこともあり、2017年10月に社員寮で自殺した。愚生が思うに、自殺者にとってトヨタの車両設計部はアカデミックさに欠けて魅力のない部署だったのだろう。現実の設計という部署は、コスト設計が主で泥臭い作業だったに違いない。そして、彼は地方国立代から東大大学院に進んだというから、どのくらい自動車が好きだったかは怪しい。自動車会社の社員と言えば、カーキチでオタクが多い。車をいじったり、機能を寸評したりすることが飯より好きだという連中が多い。トヨタの社内調査によると、若手社員の間で上司は男性が部下になる前から、パワハラの言動があったという。しかし、他の幹部社員はパワハラを認識しておらず、上司の異動時にも幹部社員の間で情報が引き継がれていなかったという。要するに、日常行われた行為でパワハラだと同僚の幹部社員が感じていなかったようだ。男性は復職前に産業医にパワハラを訴えたが、復職後の上司にも休職の経緯が共有されていなかったというから酷い組織だ。トヨタ社長が世間に向けて偉そうなことを言う前に、自分の会社の荒んだ環境を改善しろと言いたくなる。自分のストレスを部下にぶつけて、息抜きする管理職は多い。自殺者を出すような上司は、無能という以外に評価のしようがない。上司は教育的指導でパワハラではないと思っているだろうが、人の価値観には多様性がある。そのことをわきまえない人物を幹部社員に引き上げた、トヨタの人事評価制度の欠陥だ。いずれにしても、産業医や周りの幹部社員も気が付かなかったというのは詭弁だろう。トヨタは7日、再発防止策を発表し、「風通しの良い職場風土を築くよう努力を続ける」というが、最低でも関与した幹部社員や産業医を懲戒解雇にするくらいの気概がなければ組織の改善など無理だろう。しかし、トヨタではそれはできないだろう。何故なら多くの幹部社員は、似たりよったりの違法行為をしてきたからだ。愚生が当時者なら、明らかな社内倫理規律違反だから、労働基準監督署に申し出る前に人事部と渡り合うが、新人ではそれも難しかったのだろう。はっきり言って、2017年に自殺した後、豊田社長は男性の労災認定が報じられた2019年になるまで、遺族に謝罪面会もしていないという。無責任極まる豊田の社長だ。愚生が富士通時代に、同様のことを垣間見たことがある。それは、当時の富士通社長は、忙しい中で新入社員に直接自らのメールで改善を申し出ていた。愚生はそのメール内容が、パワハラを受けた女性からネットに公開されたため知った。いずれにしても、トヨタに限らず、上司であるのなら部下を守るために精神病についての知識を持つべきだ。愚生ごときでも、うつ病になった部下の勤怠を繕うため人事部と何度もぶつかった。終には、自殺した場合は人事部の責任を追及すると言って引っ込ませた。人ひとりが職場で自殺するようなことを軽く考えているトヨタ自動車の社風には呆れる。トヨタは再発防止策で、匿名通報を受け付ける相談窓口を設置すると言うが、今まで窓口がないことのほうが不思議だ。

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