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2021年7月30日 (金)

アマゾン・ドット・コムの決算

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米アマゾン・ドット・コムは29日、第3四半期(7-9月期)の売上高の伸びが前四半期の27%から鈍化するという見通しを示した。第3・四半期の売上高見通しは1060億─1120億ドル(10-16%増)と、アナリスト予想の1189億ドルに届かなかった。新型コロナウイルス禍で急拡大していたインターネット通販利用が一服しつつあることが背景だ。そのため、引け後の時間外取引で、アマゾンの株価は7.32%も下落した。アマゾンのCFOは増収率の鈍化見通しについて、昨年は消費者が家で長い時間を過ごした。そのため、日々必要な買い物もネットで済ませていた。しかし、欧米では外出する人が増え、人々は「買い物以外のこともするようになった」と指摘する。売上高の伸び鈍化は数四半期続く見込みだと述べた。合わせて発表した第2・四半期決算も、純売上高が1130億8000万ドルと、前年同期の889億1000万ドルから増加したものの、市場予想の1152億ドルを下回った。アマゾンの四半期売上高が予想割れとなるのは希だと言う。その元凶は、北米の伸びは22%と、前年同期の43%から半分近くに鈍化したことによる。一方、クラウドサービス「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」の売上高は37%増の148億ドルで、予想の141億ドルを上回った。利益は48%増の778億ドルと、過去2番目の大きさとなった。今第3・四半期の営業利益は25億-60億ドルを見込む。愚生の目から見ても、ネット通販の競争は激しい。そして、物流倉庫などの先行投資を考えれば、利益率は決して高くならない。アマゾンだけがECで急成長を維持するのは現実的ではない。しかし、事業の規模の大きさを考えれば、驚異的な伸び率だ。一方、アマゾンのコストは増え続けている。労働者不足のさなかに7万5000人の従業員を確保するため、時給を米国の最低賃金の2倍強の17ドルに設定し、ボーナス支給も約束している。50万人超の従業員を対象に、賃上げともなると固定費は跳ね上がるだろう。愚生が特に注目するのは、クラウドサービスAWSの伸びだ。AWSはクラウド市場の30%、マイクロソフトのazureは20%を占める。AWSの売上高は37%、Azureは51%の伸びだ。このままでは、数年先にはその差は埋められていくような気がする。アマゾンの利益の源泉は、ほとんどAWSから捻出されている。そう考えると、ECの伸びが鈍化してきたことで、これまでのような高PER(株価収益率)の先取はできないような気がする。現在のPERは65倍程度だが、もう少し低く適正化するなら、株価は2200ドル位までの下げもありそうだ。でなければ、当分の間、収益が追い付くまで株価は揉み合うだろう。愚生自身は、マゾン株をすべて売ってしまっていたので、胸をなでおろした。

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