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2021年8月15日 (日)

「精神の独立は経済の独立から」という言葉

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土地バブルが起こる前だっただろうか。愚生の若い頃に、邱永漢著の本を読み漁っていた。お金を儲けることが目的ではあったが、邱永漢氏の文章が読みやすく内容が面白かったからだ。何冊読んだかは覚えていないが、出版された本のほとんどを読んだだろう。その中で、特に参考になった言葉は「精神の独立は経済の独立から」というような文言だった。正確ではないかもしれないが、意味はこのようなものだった。終活を迎える時期になって、ふとこの言葉が思い出された。愚生もサラリーマン時代があった。組織社会ではあるが、その中でも厳しい競争はあった。そして、部長・部長と呼ばれる小職に就くと何か偉くなった気がした。同窓会での名刺交換時も、大企業に勤務していたため肩書があると、なおさら嬉しい気分だった。今頃気が付いたのでは遅いが、相手は不愉快千万だっただろう。特に、学生時代に愚生より成績がよかったクラスメイトなら余計に思ったに違いない。しかし、肩書や名刺などは他からくれるのだ。名刺を見て評価されるのは、名刺に記された会社名であって愚生本人ではない。官僚が天下り先を見つけて、独立行政法人などに横滑りするのも自分で起業などしないからだ。それに比べれば、社会的にバッシングを受けた「村上ファンド」 の代表者の村上世彰氏などは偉い。彼は小学校3年生頃には、すでに株取引のキャリアはスタートしていた。大学卒業時には資産は1億円を超えたという。そして、大学卒業後に通商産業省(現経済産業省)に入省した。日本経済の永続的な成長のためにはコーポレート・ガバナンスが大切であることを実感し、自らがプレーヤーとなって変えていこうと決意したという。そこで、40歳を目前にして退職し自ら「村上ファンド」を立ち上げた。しかし、最期には証券取引法違反(インサイダー取引)容疑で逮捕・起訴された。これも愚生に言わせれば冤罪だと思う。出る釘は打たれるという、儲けすぎたためのバッシングだったと思う。愚生も退職してからは、邱永漢氏の言う「精神の独立は経済の独立から」という言葉の重みを感じる。自立するリスクを負わない多くの人は、会社にしがみ付いて不幸な境遇に晒される。愚生が聞いた多くの友人の悩みも、会社を辞めれば解消するものだった。周りが悪いと嘆く人もいるが、しがみ付いた手を離せば済む内容だ。いつまでも、他に依存していると独立できなくなることも事実だ。そして、自らの精神の独立もなくなるような気がする。ところで、邱永漢氏を検索していると、邱永漢氏の遺族3人が東京国税局の税務調査を受け、遺産相続した株の評価額や配当金など二十数億円の申告漏れを指摘されたという。相続税と所得税の追徴税額は過少申告加算税などを含め計約9億円だったという。「児孫のために美田を買わず」という西郷隆盛の言葉がある。子孫のために財産を残すと、それに頼って努力をしないので、財産を残さないという意味らしい。いずれにせよ、身の丈に合わないものを相続すると、貰った方が不幸になるようだ。

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