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2021年9月 9日 (木)

コジマ電気の二の舞い

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家電の「ヤマダ」というと、ずいぶん昔は「コジマ電機」と売り上げを争っていた。ヤマダは群馬県で、コジマは栃木県が発祥という北関東が拠点の大手家電家電店だった。しかし、コジマは事業不振で「ビックカメラ」に吸収されてなくなった。一方、ヤマダは事業が不振に陥った住宅建設の「エス・バイ・エル」や家具の大塚を吸収して、家電を軸に家具や住宅に事業を多角化した。しかし、不振企業の吸収合併は事業の黒字化は容易ではない。吸収による膨らむ人件費は、売上高の伸びに追いつかない。愚生も30年前くらいは、ヤマダやコジマで家電をかった。その後は、駅前のヨドバシカメラで買うことが多い。修理も考慮すれば、自分で取り付けができないエアコンや白物家電はヨドバシカメラで購入する。しかし、テレビやPC、ネットワーク機器などは自分でセッティングするため、アマゾンやネット通販で最安値品を購入する。売り場の半分を雑貨や家具、住宅設備が占め、注文住宅の相談窓口も備えるという。しかし、どれだけシナジー効果があるのだろうか疑問だ。そもそも、売る品の金額が違い過ぎではないか。住宅は100万円が単位、家具は10万円、そして家電は数千円から数万円だ。山田昇会長は「サービスを広げて暮らしまるごと戦略の総仕上げに出る」というが、価格が安い分野は利益率が低くネット通販勢との競争が激しい。家電量販市場が伸び悩む中で、ヤマダは非家電分野の強化に注力してきた。その結果、住宅事業の年間売上高は2021年3月期に前の期比38%増の2061億円と売り上げ全体の12%を占める。しかし、従業員1人当たりの経常利益は2021年3月期で約300万円。郊外型店舗が多いケーズ電機(約360万円)に比べて低い。愚生の印象だが、ケーズ電機も何時も客が少なくフロアはガランとしているので比較対象としては良くない。ヤマダの2021年4月入社の新卒採用者数は前年比14%増の568人。来春入社予定の採用者数は650人とさらに増やす。家具を軸に家電やDIY用品、アウトドアやリフォーム商材までそろえるニトリが潜在的なライバルという。しかし、ニトリは商品の9割強を自社開発する。ヤマダもエアコンなどの家電や、ベッドなどの家具で独自商品をそろえるというが、売上高に占める自社製品割合は1~2割ほどだ。既製品の冷蔵庫やエアコンなど品ぞろえを増やして価格競争と言っても、ECを武器に安値攻勢をかけるネット通に対抗できるとは思えない。そもそも、住宅と家電、小型雑貨はそれぞれ購入頻度が異なる。1つの店舗でそろえても、シナジー効果は少ない気がする。そのせいもあってか、ヤマダHDの株価はさえない。多角化戦略の失敗で、コジマ電気の二の舞いと思うのは愚生だけだろうか。ところで、みずほ銀行で昨日、全国で最大100台程度のATMが機器の不具合で一時使えなくなるトラブルが起きた。みずほ銀行で利用者に影響が出るシステム障害が表面化するのは今年で7度目となる。今回故障したのは預金や送金、外為など複数のシステムの根本にあたる共通基盤部分にあるディスク装置だという。故障部分を切り離す時に瞬断が起きた。そのためATMだけでなくインターネットでの取引にまで波及したという説明だ。本来、無停電電源を併設しているから瞬断など起きるはずはない。ハードディスクを含めて機器に障害はつきものだが、復旧に手間取るのはシステムの設計自体が問題だからだ。相次いで起きたシステム障害の原因究明というが、システム自体をあまりにも大きく変更した。過去の品質が担保されていた基幹系アプリを大きく作り変えたため、システム全体を把握している者がいないのだろう。何故なら、過去のシステムの専門家は、ほとんど退職していて詳細な内容が不明だからだ。みずほのシステムは、今後も何度も障害を起こすだろう。

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