実力ナンバーワンの藤井聡太三冠
昨日は、藤井聡太三冠vs木村一基九段、第80期順位戦B級1組5回戦をAbema.TVで観戦した。戦型は相掛かり。午前はスローペースで進んだが、木村が飛車切りを決断して攻め合いになった。その後、藤井三冠が優勢を築く。受け上手な木村は耐えしのんだが87手で投了した。これで順位戦B級1組での対戦成績は4勝1敗。終局後、藤井三冠は攻防について「けっこう厳しい変化が多いので、よく分からなかった。難しいのかなと思っていた」と振り返る。B1は実力者が名を連ね「鬼の住処」と呼ばれるクラスだ。総当たりで戦い、上位2人がA級に昇級する。藤井三冠が谷川浩司九段の持つ名人獲得の史上最年少記録(21歳2カ月)を更新するには、今期のB級1組を1期で抜けし、さらにA級1期目で挑戦権を獲得しなければ記録は破れない。もちろん、愚生は実力ナンバーワンの藤井聡太三冠が名人のタイトルを奪取できないとは思わない。しかし、順位戦は流動性(入れ替え)が少ない。順位戦も半数くらい入れ替えるほどの流動性を持たせれば、実力に見合ったクラス表示になるだろう。なぜなら、下のクラスに降格した人が連続で降格するケースも良く見られる。入れ替え枠が少なく硬直化しているため、実力が反映されたクラスになっていない。やはり、日本将棋連盟は、棋力を表わすのにチェスなどで採用しているレイティング順位を正式に採用すべきだろう。ところで、藤井三冠は9月17日に第47期棋王戦本戦トーナメント3回戦で斎藤慎太郎八段に敗れたため、年度内6冠の可能性は消滅した。しかし、竜王、王将のタイトルを奪取すれば、年度内5冠の可能性がある。挑戦を決めている竜王戦7番勝負(10月8日開幕)では竜王を持つ豊島将之竜王から確実に奪取すると愚生は思う。なぜなら、棋士の実力を表すレイティングの確率からだ。今回から女流棋士にも順位戦が適用された。実力と段位の乖離が大きいと思った。今の棋戦の流動性を敢えて直さないなら、日本将棋連盟として全体を通したレイティングでの順位つけをすべきではないか。
棋士
順位 棋士名 レート 今年度9月20日現在
1 藤井聡太三冠 2059
2 豊島将之竜王 1936
3 渡辺明名人 1928
4 永瀬拓矢王座 1900
5 斎藤慎太郎八段 1879
6 広瀬章人八段 1823
7 糸谷哲郎八段 1818
8 木村一基九段 1802
9 菅井竜也八段 1795
10 佐々木勇気七段 1791
11 山崎隆之八段 1783
12 千田翔太七段 1780
13 近藤誠也七段 1780
14 八代弥七段 1779
15 稲葉陽八段 1772
16 羽生善治九段 1771
17 佐々木大地五段 1753
18 佐藤康光九段 1751
19 丸山忠久九段 1750
20 澤田真吾七段 1748
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女流棋士(女流は男性のレート数値とは全く別)
順位 棋士名 レート
1 里見香四冠 1959
2 西山三冠 1945
3 伊藤沙三段 1864
4 加藤桃三段 1837
5 香川四段 1733
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