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2021年12月30日 (木)

習近平政権が掲げる「共同富裕」路線

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中国公務員に突然25%年俸下げ通告という記事が目を引いた。中国の地方公務員給与が何の前触れもなく大幅ダウン通告されたという。その地方政府とは、馬雲(ジャック・マー)が創業したアリババ集団の企業城下町(浙江省杭州市)だった。ところが、問題になったのはどうも25%ダウンより普通の女性公務員の年収だった。少なくとも20万元(360万円)以上もあったからだ。浙江省公務員の給料が、一般的な民間中小企業や他省の一般公務員の給与より大幅に高かった。問題点に気付いた当局が、慌てて給料をさげた結果25%ものダウンとなった。そして、浙江省に続いて深センを含む広東省、江蘇省、上海市、天津市など豊かな地域で給与削減が表面化した。総じて15~25%減で、天津では20%前後にもなる。上海などでは30%超減の例もあり、警察派出所長の年収が35万元(630万円)から大幅に下がるとの情報だ。そういえば、日本でも破綻寸前だった大阪府職員の給与体系も同様だった。公共バスの運転手の年収が800万円。大阪府が抱えるオーケストラ楽団員の年収が1000万円といった具合だった。このほか、手当や仕立券など多くの福利給もあった。ただ、中国では説明なしに公務員年俸が2割以上も減っても、大騒ぎならない。それは、共産党による統制のせいなのだろう。そして、毎月支払われる福利給が、全体の5割も占めるお手盛りの隠れ収入だったからだ。大阪の場合は、ずいぶんと問題になったが、橋下元府知事が大ナタを振るって削減し財政健全化を遂行した。中国では公務員人気が高いのは、やはりこういう福利厚生が民間より各段によいからだろう。中国の地方政府財源は、国有化された土地の利用権だ。住宅価格が右肩上がりだった中国の地方政府は、国有地の使用権を不動産デべロッパーに売れば、いつでも巨額の収入を得られた。地方政府は土地収入に頼って公務員を増やし、給与を上げ、インフラも整備をした。切り売りする土地がなくなれば、こうしたシステムはいずれ破綻する。これを補うために、今回の公務員給与の削減や脱税者への巨額追徴を敢行し、地方政府の財政を補填しようとした。習近平政権が掲げる「共同富裕」という路線は、公務員の高待遇と民間との格差を炙り出した。国・地方とも景気対策の柱であるインフラ投資を減らせない中、成果・福利給を名目とした公務員の待遇アップに回す余裕はなくなったようだ。国有企業を太らせ、民間企業の競争力を削ぐ習近平政権は、いずれ破綻するのではないだろうか。

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