経済報復の連鎖でロシアは終焉
バイデン米大統領は11日、ロシアに対して、関税優遇措置を剥奪し、税率を引き上げると表明した。しかし、これでロシアのウクライナ侵攻を食い止めることができるのだろうか。ロシアに経済的な圧力を強める狙いというが、米国の足元を見透かされている感がある。これまでもロシアは、チェチェン紛争やシリア・アサド政権維持のために人道に反するような軍事行動を取ってきた。今回、世界が騒いでいるのは侵略されている国がヨーロッパの国だという違いだ。一方、ロシアのプーチンは、ウクライナ侵攻を受けてロシアから撤退する外国企業の資産を国有化するとの方針を示した。欧米側への対抗措置なのだろうが、これで完全にロシアに投資する国はなくなる。脅せば黙るというプーチン流の前近代的な手法は通用しない。日本企業のロシアでの事業継続は続かないだろうから、トヨタなどは早々に引き上げるべきだ。ウクライナ戦争の勝敗に関わらず、世界中からの経済報復の連鎖でロシアは終焉に向かう。バイデンは、日本など先進G7やEUと協調して追加措置を講じると述べた。こうなると、日本も当事者国になるから遅かれ早かれ巻き込まれる。日本でも、いずれはロシア産の魚介類などが輸入を禁止になるだろう。プーチンは、事業をやめる外国企業については、管財人管理を経て希望者に経営権を引き渡し、生産に支障が出ないようにするという。しかし、いくらロシアに箱モノ(工場や店舗)が残っても、部品や流通品が送られてこなければ営業はできない。AP通信によると、ロシア紙イズベスチヤは国有化の対象となる企業は米マクドナルドやアップル、スウェーデンのイケアなど約60社と伝えた。悲しいかな、ロシアの購買力は世界的に与えるインパクトは微々たるものだから、これらの大企業は屁とも思わないだろう。
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