ウクライナ戦争の結末
欧米などが制裁によって凍結するロシア資産は1兆ドル(約114兆円)近くだという。これを差し押さえると、プーチンの戦争の資金はほぼゼロになるという。ロシア中央銀行が通貨防衛のため政策金利を年20%に大幅に引き上げたことで、通常の企業はもはや借り入れができない状態ではないだろう。いずれにしろ、今回の戦争で一番苦しむのはロシアだ。中国の人民元建て決済と言っても、ルーブルが大きく急落しては貿易契約がほごにさる。ドルベースで値段がつかないルーブルで取引すれば、ロシア制裁による為替リスクをもろに被る。そう考えれば、ロシアとの既存のビジネスを縮小する方向に向かうだろう。そして、ロシアと新規ビジネスを行う者はいない。中国の顧客を含め、ロシアは世界中から相手にされなくなった。西側の対ロシア制裁に伴い、ロシアと係る中国の銀行は、取引相手から以前より厳しく精査されるだろう。プーチンの始めたウクライナ戦争の結末は、ロシアの信用失墜と世界の経済からの切り離しだ。これまでの経済政策が水の泡と帰したことを、どう考えているのだろうか。
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