生涯を通して気にかけたこと
甲冑や着物をまとった「駒武者」を将棋の駒に見立てて対局する「人間将棋」が天童市で開かれた。天童市は将棋の駒の生産量が日本一という。将棋の駒の材質は、ツゲ・ツバキ・ホウノキ・カエデなどの木が一般的だ。愚生宅の庭先に植えてあったツゲは、木材の中でもっとも緻密で均一な材質だという。硬く割れにくい特性から、プラスチック駒が登場するまでは主流だった。ツゲの用途は、将棋の駒以外にも印鑑やクシなどで使われている。愚生が持っている将棋の駒もツゲが使われている。今から40年くらい前に、御徒町の専門店で買って自宅(川崎宮前区)まで運んだ。その時に同時に買った桂六寸の将棋盤が重くて手がちぎれるかと思った。お金のない時に買った大切な将棋盤は、今では物置台になってしまっている。ツゲ駒は今も持っているが、角(カク)は先代の犬(ラブラドルレトリバー)にかまれた跡がある。また、将棋盤も今飼っている犬(チワワ)に角(カド)を齧られてしまった。ところで、人間将棋は藤井五冠=棋聖・竜王・王将・王位・叡王=と佐々木大地六段の2人が武将姿で登場して指した。会場に設けられた巨大な将棋盤では「王将」や「飛車」などののぼりを持って将棋の駒にふんした40人が並び、武将言葉で駒たちに動きを指示する。将棋は130手で藤井五冠が勝利した。先手の佐々木六段が「相掛かりを所望する」と挑むと、後手の藤井五冠は「受けて立とう」と対局がスタートした。ただ、この将棋は駒を全て動かさなければならないという特別ルールがある。なぜそういうルールなのかは知らないが、通常の将棋とは違う。ところで、愚生の部室を見渡すと、藤井五冠が六段だった頃の色紙「専心」が飾ってある。専心とは、国語辞典に「心を一つのことにだけ集中すること」とある。他には、野村克也の「希望に起き、努力に生き、感謝に眠る」と書かれた記念バットがある。愚生が生涯を通して気にかけたことは、将棋と南海ホークスくらいなのだろうか。そう思いながら耳を傾けると、中学生時代に好きだったローリングストーンズのホンキートンク ウィメン「Honky Tonk Women」が流れる。因みに歌詞の内容は、
メンフィスのジンの匂いの染みつく
バーで女に会ったのさ。
2階に連れ込みたくて,
向こうも必死に頑張ったろうさ。
俺ときたら肩で担いで,支えてもらってやっとだ
どうもこうもなかった状態さ。
どれだけ飲んだって,
俺の中から消えなかったんだ。
安っぽいバーの女たち
場末のバーに合うような
「歌声」で歌ってくれよ。
| 固定リンク
コメント