日野自動車の存続危機
日野自動車が27日発表した2022年3月期連結決算は、最終利益が▲847億円の赤字となった。これは、エンジンの性能検査を巡る不正が発覚し、自動車の量産に必要な「型式指定」を取り消されるなどしたためだ。日野自動車と言えば、トヨタ・グループにおいてバストラックを担っている。不正の内容は多岐にわたるようだ。搭載される中型エンジン「A05C」におけるNOx処理装置での不正。大型エンジン「A09C」および「E13C」を搭載した車両での燃費測定での不正。そしてトヨタ・コースターなどに使われる小型エンジン「N04C(尿素SCR)」においても燃費測定での不正が明らかになっている。小型・中型・大型と広く不正が行なわれていたということは、一部署の暴走ということは考えづらい。これは全社的に不正行為が常態化していたことになる。日野自動車が「型式指定の取消し処分」を受けたことは同情の余地がないからだろう。「型式指定」とは、その車両が保安基準を満たしていることを書類によって証明できることだ。ハウスメーカーが建てるシリーズ住宅の建築基準と同様に、いちいち車検を受けたり、排ガス検査を受けたりしなくてもいいようにするために「型式指定」で保証している。逆にいうと、型式指定を取り消されてしまった車種は、一台一台、個別に排ガス検査を受け、車検を通す必要がある。事実上、「型式指定の取消し」は、販売が不可能になる。この「型式指定の取消し」処分というのは史上初となる厳しい処分だという。実質的に工場を止めることになるので、まったく売上がたてられない状態になってしまう。仮に正しい測定をしたからといってすぐに新しい型式指定を受けることはできないだろう。とくに中型エンジンについては耐久試験において途中で部品を交換するという不正だったからだ。これは日野自動車という企業の存続危機になるが、買う側から言えば「トラック」は「いすゞ自動車」、バスは「三菱ふそう」と代替えがあるため問題はないような気がする。
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