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2022年4月29日 (金)

ドル円相場は、131円付近

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円安の最中28日、日銀は大規模な金融緩和策の維持を決めた。そして、日本国債を無制限に買い入れる「指し値オペ」を毎日実施することも決めた。この決定後、東京外国為替市場では円相場が20年ぶりに1ドル=131円台をつけた。指し値オペとは、10年物国債を0.25%程度の利回りで無制限に買い入れ、金利上昇を抑え込むことだ。日銀が決定会合の結果を発表すると円安が進み、長期金利が低下した。その結果、円は一時1ドル=131円台をつけ、1日で2円超も円安が進んだ。インフレ下で利上げを進める米国と真逆の政策だ。当然、お金は金利が高い所へ流れるためドル高円安が進む。これで日銀が掲げてきた物価上昇率2%の目標実現も現実味を帯びてくる。しかし、円安の結果、資源高に加え、住宅ローンなど政策金利に連動する金利上昇が伴うから消費者へのダメージは大きい。コロナ禍で始まった実質無利子・無担保融資の実行額は40兆円を超えるという。債務が膨らむアパートローンや企業の借り入れ負担が重くなれば、倒産が急増する原因になりかねない。さらに、政府の財政負担はもっと問題だろう。全ての国債金利が一律1%上昇した場合、2025年度末時点の国債費(利払いや償還費用)は32.5兆円となり想定より3.7兆円も増える。米FRBは5月3~4日の会合で追加の利上げを決める見通しだ。利上げ幅は通常の倍の0.5%となるとみられており、日米の金利差が一段と開きそうだ。投機筋が円売り・ドル買いを更に加速させる展開となる。今朝のドル円相場は、131円近くに張り付いている。チャート的に見れば、1ドル150円と言う大台まで行きつくかも知れない。いずれにしろ、過度の円安は輸入消費物価を押し上げる。愚生のような年金生活者には、可処分所得の減少にしか映らない。また、円安はドルベースで日本国民の銀行預金の価値を大きく棄損する。それならば、今からドル買い円売りをするのも、ドル円が巻き戻した時には怖い。前門の虎、後門の狼という気分だ。

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