儲かればよいという輩が相場を動かす
「Sell in May」という時期なのだろうか、昨日も株は売られていた。アナリストによれば、株の大幅な下落でマージンコール(金融機関が投資家に不足の証拠金を求める)が発生しているという。投資家が期日までに証拠金を入金しない場合は、ポジションは強制決済される。下がったことによる差損の反対売買だから、持っていた株の強制売却になる。これだけ株が下がると証拠金が維持できないくらい損失を被っている投資家も多いのだろう。これが事実なら大底が近いと思うが、先のことは分からない。いずれにしろ、一旦どんな株も売られるだろうから、そこからファンダメンタルズがよい株は回復するだろうと思っている。4月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を上回る伸びとなり、インフレが高止まりした状態でさらに長期化するようだ。後講釈だが、金融当局は積極的な利上げを迫られそうだという理由で株は売られたという。ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は8.1%上昇で、前月比では0.3%上昇(市場予想は0.2%上昇)だった。コアCPIは前年同月比6.2%上昇と予想値6%より上まわった。一方、インフレの高止まりが示されたものの、FRBによる金融政策引き締めが一段と積極化する可能性は低いとの逆の見方もあってドルが売られた。理由はどうであれ、儲かればよいという輩が相場を動かしているのだろう。ただ、今後数カ月でサプライチェーンの緩和や需要減少が見込まれる中、インフレ圧力は一時的なものになるという。理由はともあれ、昨日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落し、前日比326ドル63セント(1.0%)安の3万1834ドル11セントで終えた。連日で年初来安値を更新している。特に、ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は前日比373.435ポイント(3.2%)安の1万1364.236で終えた。また、多くの機関投資家が指標にするS&P500種株価指数は前日比65.87ポイント(1.6%)安の3935.18で終えた。いずれも年初来安値を更新した。金利上昇局面では、高PERのハイテク株が売られる。スマートフォンのアップルが5%安、ソフトウエアのマイクロソフトと顧客情報管理のセールスフォースはともに4%安で終えた。ダウ平均の構成銘柄以外では電気自動車のテスラが8%安、半導体のエヌビディアが5%安と下げが目立った。踏んだり蹴ったりの相場だが、どこかで反転することを期待したい。
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