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2022年5月17日 (火)

最貧国への印籠

Ihu
フィンランドが北大西洋条約機構(NATO)に加入することに対抗してロシア電力会社は、フィンランドへの送電を14日から停止すると発表した。フィンランドの政府系送電会社もロシアからの電力供給が14日午前1時から止まると発表した。ロシアからの電力輸入量はフィンランドの消費量の約10%だという。フィンランドの不足分は、スウェーデンからの輸入増と国内発電量の増加で補うというから、ロシアの報復効力はないようだ。もともと、フィンランドは電力の輸出もしている。欧州ではグリッドが国境を越えて密接につながっていることから、各国の需給のバランスに合わせて他国からの輸出入が容易にできる。フィンランドの昨年の輸出量とロシアからの輸入量が同じ程度だというから、ロシアが電力供給を止めても大きな問題にはならない。ロシアのGDPは韓国以下というから、フィンランドへの実質的な経済制裁など皆無なのだろう。一方、ロシア現地法人のマクドナルドは16日、30年以上展開していたロシア市場から撤退する方針を発表した。地元の買い手への事業売却を検討しているという。マクドナルドは声明で「ウクライナ戦争による人道的危機と、予測不可能な経営環境から、ロシア事業を継続することは不可能で、当社の価値観とも一致しないと結論付けた」と説明した。従業員数が6万2000というから、解雇された従業員の雇用がロシアでは大問題になる。また、今朝のニュースで仏自動車会社のルノーはロシア事業をロシア市に譲渡して撤退するという。このように、次から次へと連鎖反応のように撤退が続くとロシア経済は回らなくなる。短期的には事業を引き継ぐ企業はいるだろうが、部品の供給や経営能力不足で、そう長くは持たないだろう。プーチンの起こした戦争で、いったいどのくらい経済的損失があったか計り知れないだろう。政治的にはNATOの拡大、経済的制裁とロシアにとっては、西側諸国から最貧国への印籠が渡された形だ。

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