親会社の横柄な儲け方
喫緊のニュースで、リコーがPFUを買収することを知った。愚生自身はF社時代に数えきれないほどPFUに出張した。何か他人事とは思えない気持ちだ。買収内容は、リコーがPFU株式の80%を840億円で取得して子会社化する。残りの20%はそのまま富士通が保有する。どうもリコーは富士通とのアライアンス関係を重視した買収のようだ。リコーはPFUが子会社となった後も、全社員の雇用を維持するという。もともとPFUという名前は、パナソニック・富士通・内田洋行の頭文字をとったものだ。愚生の目から見れば、スキャナー企業と言うよりソフトやシステムが強い会社だった。ただ、愚生がF社だった頃は直販ルートが少なく、富士通経由の販売が多かった。愚生が扱っていた製品でも、仕様は富士通で決めてPFUに機構部・ソフトを一括して開発委託した製品が一番利益率が高く儲かった。プリンタのリボンなども、福井の繊維会社に委託開発させて、PFU経由で買い上げて儲けるという悪戯なやり方だった。親会社の横柄な儲け方に、すいぶん反発はあっただろうと思っている。PFU商品のHHKBなどキーボード事業も継続すると言うが、リコーの事業規模ではないから、いずれ中止になるだろう。株式取得金額は840億円だが、PFUは現金など約380億円の金融資産を保有している。実質の買収額はその差額程度だろう。富士通には不要なビジネスなのは理解できるが、PFUを売却するとは意外だった。パソコンの次はスマホからの撤退だと思っていたが順序が違う。スマホを止めると社員の引き取り手がなくて困るから、止められないのかと勘繰ってしまう。富士通は売り上げが大きいからとパソコンやスマホ出身の無能な社長を冠したのが今になって大きな誤算だと悟ったことだろう。リコーにしても、複写機は夕日を拝むビジネスだ。カメラもインクジェットプリンターも終焉が近い。何をやっても将来性が描けないのだろう。愚生に言わせれば、今頃いう話ではないだろう。30年前からわかっていたことが、顕在化しただけだ。富士通社長は「PFUは今まで富士通の中でしっかりとしたビジネスをしてきてくれた大事な会社だった。PFUにとっていかなる歩み方が良いのかを考えたことが今回の売却につながった。」というが、彼の出身SE部隊は儲かるところだけを笊ですくって、あとはPFUなどの子会社に丸投げしていたことを忘れてはいないだろうか。
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