一番の利点は金は劣化しない
最近、金地金価格が下落している。愚生は2010年ごろから数年間は、金のETF(SPDR)に盛んに投資していた。当時、低金利政策下で1オンス1000米ドルくらいから1600ドルくらいまで上昇していた。そしてピークをつけて1200ドル前後でもみ合った。その後、コロナ禍の金融緩和政策で2000ドルくらいまで上昇した。今回の下落は、金利の上昇やアジアの需要減が大きな要因だろう。また、インフレが近々ピークアウトを迎えるとの見立ても背景にあるようだ。確かに金は有史以来、通貨として代用されてきた。希少性や実物としての裏付けから金は紙幣と違い確実な実物資産だ。今のリセッション懸念はインフレ抑制を狙った金融引き締めが原因だ。金は実物資産だが、持っていても金利は付かないから利息は生まない。国際指標となるニューヨーク先物は20日、一時1トロイオンス1690ドルまで下落して安値をつけた。年初来高値2078ドルをつけた高値と比べ約2割安い水準だ。今回の金利上昇は、インフレ懸念からだった。そのため市場がインフレのピークアウトと見れば、金は売られやすくなる。6月の米消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比9.1%と40年半ぶりの高さを示した。しかし、市場は数年先を見据えているから、今後5年間の期待インフレ率は2.6%台とピーク時より下がっている。5年先にいたっては2.0%台とFRBの物価目標値とほぼ合致する。インフレ懸念で買われた金は、それが止むなら売られるのは当然だろう。また、金の実需が伸び悩んでいることも価格下落に影響している。世界の金消費量の約半分を占める中国とインドの動向をみると、中国は不景気で金の販売は伸び悩む。インドもインフレに伴う貿易赤字を改善するため7月から金の輸入関税を引き上げていることから低調だ。しかし、愚生はインフレ対策なら、長い目で見れば先々が見えない日本の土地やマンションより金の方が良いと思う。一番の利点は、金は劣化しないから永遠な輝きを持つ。有史以来、過去から採掘された金の量は、50mプールで数杯分しかないという。長期で持てば、これほど確実な資産はない様に思う。価格変動は激しいが、いつも相場があることが安心だ。ただ、愚生には金は向かない投資だ。
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