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2022年7月14日 (木)

ニコンが一眼レフから撤退

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ニコンが一眼レフカメラの開発から撤退するというニュースを聞いた。ニコンと言えば、愚生が高校生活を写真部で過ごした時を思い出す。当時は、ニコンの一眼レフカメラ「ニコンF」が写真界を席巻していた。ピラミッド型ファインダのデザインで、多くのアタッチメントが用意されていた。一台で写真分野のすべてを充たす一眼レフの決定版という触れ込みだった。当時の一眼レフでは、旭光学工業(現リコーイメージング)が1952年に国産初という35ミリメートル一眼レフカメラを発売して先行した。ニコンFは後発だったが、頑丈で当時の最新技術を取り入れ世界中のプロから支持された。そして、一眼レフ高級機の代名詞となった。愚生はニコンFを欲しかったが、親父を拝み倒して買ってもらったカメラがニコマートというニコンの一眼レフコンパクト版だった。ニコンの前身は1917年に設立された「日本光学工業」であり、三菱財閥のグループ企業だ。戦時中は潜水艦の潜望鏡のほか、戦艦「大和」の大砲の測距儀などの光学機器を手掛けた。戦後にカメラメーカーへと転身したが、三菱財閥グループの中で、事業領域が縛られたことが企業規模拡大の痛手だった。カメラのデジタル化が進む中、スマートフォンのカメラ機能が年々高性能化してカメラ市場を侵食した。ミラーレスは一眼レフの参入障壁となる高度な光学技術レフレックス構造が不要だ。しかし、記録媒体はデジタルでファインダはアナログ(光学)という一眼レフにニコンは拘った。愚生は、いずれこのような羊頭狗肉な製品は市場から撤退させられると思っていた。ソニーがミラーレスに注力する一方、ミラーレスと一眼レフカメラの双方に開発資源を分散するという愚かな戦略を採った。その結果、市場から取り残されて60年超の歴史を持つ一眼レフからの撤退も遅れた。今後は、堅調な需要を見込めるミラーレスに焦点を合わせて生き残りを目指すという。しかし、この分野はかなり狭い市場だ。大きく先行するソニーに勝てるとは思えない。なぜなら、愚生自身もソニーのミラーレスカメラを何機種も買い換えた。しかし、一般的な記念写真を撮るには、望遠機能があればカメラで無くとも、スマホは十分な性能まで進化した。愚生自身は、ソニーのミラーレス機種を全てヤフオクで売払った。もう、カメラという物は、プロの写真家以外は使わない機器になった。ミラーレスでは画質を左右する画像センサーの設計・開発から生産まで一貫して手掛けるソニーが先行する。スマホの高画質・高性能化も止まらない。「前門の虎、後門のオオカミ」という厳しい状況下、再びカメラ事業を再浮揚させられるとは思えない。今から、ニコンが後発で参入しても勝算はないだろう。

 

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