新規住宅ローン
新規住宅ローンのうち変動金利を選ぶ割合は6月時点で平均約84%に達したという。愚生など古い世代の人間では考えにくい。土地バブル時代の住宅変動金利は8%という高利率だったからだ。最近は世界の金利に連動して日本の長期金利は上昇した。しかし、借りる側から見れば金利を固定する安心感より変動金利の低さが魅力のようだ。新型コロナウイルス禍で家計が苦しくなり、借り換え需要は強い。住宅金融支援機構の4月の住宅ローン利用者調査でも、変動型が73.9%と7割を超えた。長期金利に連動する固定金利は上昇傾向が続き、現在10年固定であれば1%前後、超長期の全期間固定では1~2%程度だという。フラット35と呼ばれる最長35年の固定金利の住宅ローン金利は団体信用生命保険をつけても1.2%くらいだ。他方、変動金利の場合は0.3%前後の低利で借りられるから魅力のようだ。そういう訳で、日本では住宅ローンの安い変動金利プランに変更して返済額を減らしたい人が増えている。りそな銀行やみずほ銀行では、借り換えの場合0.37%程度だ。住宅ローンの借り換えは、2016年のマイナス金利導入後に需要が大きく膨らんだ後、2019年の消費増税などを背景に減退した。長短の利ザヤで収益を上げる銀行にとっては、金利競争激化の厳しさが増している。住宅ローン金利の中でも固定型は長期金利を参考にして決める。そのため、10年固定の基準金利でみると、みずほ銀行は6月から0.15%引き上げて年率3.15%。三菱UFJ銀行と三井住友銀行は0.05%引き上げて3.69%となる。一方、アパートローンの金利は金融機関による幅が大きいが、事業用資産の借り入れのため金利の低い変動金利がほとんどだ。地銀の借り入れ相場は1.5~3%程度となっており、申し込み先によって金利は大きく異なるという。世界的な金利上昇を受け、国内金利にも上昇圧力がかかっているが、日銀はいつまで大規模緩和策を維持するのだろうか。いずれは、政策の変更により変動型金利の上昇もあるだろう。
最近のコメント