破綻したリゾートホテル
ユーチューバーが作成していた動画に破綻したリゾートホテル特集があった。この中で、新潟県南魚沼郡でリゾートホテルを運営していた「株式会社スポーリア湯沢」が事業を停止し破産手続きしたことが報告されていた。このホテル運営は、1987年1月に会員制ホテル「スポーリア湯沢」としてオープンした。その後、運営会社ダイカンホームが倒産したことで、1997年10月に新会社として事業を継承した。この「スポーリア湯沢」は区分所有という形態で投資家に分譲されていたため、施設を賃借する形態で運営が行なわれていた。なぜ目に留まったかと言えば、土地バブル期に愚生も区分所有に投資していたからだ。ただ、リゾートホテルは投資効率が悪く将来性はないと思い、少し価格が上がったところで売却した。今から思えば、非常に適切な判断だったと思う。不動産投資は、資金回収時に売却相手がいなければ無価値だ。いくら積算価格や収益還元法を説いても、買い手がいなければ価値はない。田舎の土地と同じで、値段をつけても売買ができない。「スポーリア湯沢」の立地は、新幹線の越後湯沢駅から3分程度という好立地だ。今回は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響によるインバウンド客の激減したことが原因だ。昨年2020年9月はメンテナンスを理由に休館としていた。しかし、その後の資金繰りの目途も立たず事業継続を断念し破産手続きとなった。負債総額は約2億5000万円だという。リゾートホテルを借り上げていた運営者の破綻には決着はついたが、今後この施設をどうするのだろうか。当面、新たな借り手はいないだろうから、区分所有の投資家は永久に固定資産税を湯沢町に払うことになる。記憶を辿れば、スポーリア湯沢には屋上の大浴場に露天風呂がある。親父と一緒に入りながら、越後湯沢町の天空の星空が美しかったことを思い出す。土地バブル期だったこともあって、親父はスポーリア湯沢が気に入って良い温泉だと喜んでくれた。当時、30代半だった愚生は、土地バブルを踏みあげてお大金持になろうという夢があったようだ。芭蕉が奥州藤原氏の繁栄を築いた地で詠んだ「夏草や兵どもが夢の跡」という句を思い出す。
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