« 人生は走馬灯のようなもの | トップページ | 投機家は証拠金を吹っ飛ばした »

2022年10月21日 (金)

今後も底の見えない展開

3_20221021104501
昨日、とうとう円相場は1ドル=150円を超えて下落した。32年ぶりだというが、愚生は360円時代も生きてきたため驚かない。円安が止まらないのは日銀の低金利政策だというが、日本経済の弱さを曝しているからだろう。今後も底の見えない展開となっている。
FXの市場参加者は政府・日銀の出方をうかがいながら、恐る恐る円売り・ドル買いを進めているという。円買い介入への警戒は強く、少しでも大口の円買い注文が入ると、それに反応する投資家が多いらしい。愚生に言わせれば、レバレッジをかけたFXなどは博打と同じだ。一つ間違えば、証拠金が吹っ飛んで大貧民になってしまう。政府が円買い介入といっても、外貨準備高には限りがある。やり過ぎると国が破産してしまう。じりじりと円安が進んだのは、円売りの裏側に日本経済の構造的なもろさがあるからだろう。日銀によると、日本の潜在成長率は32年前の4%台から足元で0%台前半にまで下がった。経済の実力が下がるなか、低金利を常態化させて淘汰されるべき収益力の低い企業が生き残った。その結果、競争力のある企業に人材や資金が回りにくくなった。経済の新陳代謝が止まったことが、円安の原因だという。確かに、少しでも金利を上げれば、破綻する企業や個人が多く、経済が一気に冷え込む。バブル期に銀行の総量規制で多くの不動産会社が倒産した。その後、金を貸していた銀行は不良債権を抱え込んで潰れた。インフレ封じのために大幅利上げを続ける米国とは対照的な日本の金利政策だ。日米の金融政策の違いから、低金利の円から高金利のドルにマネーが流れるのは当然だろう。円で持っている資産は、ここ一年で25%くらい縮小したことになる。少子高齢化の日本では、一部を除いて土地値は上がらないだろう。しかし、輸入品の塊で建設される新築マンション価格は沸騰する。それが引き金となって、中古マンション価格を引き上げた。首都圏では中古マンション価格が平均で20%~40%近くも上昇した。愚生は上がった物は必ず下がると思っていたが、今回は日本円の価値が棄損しているため建設費が高騰し、早々に値崩れはしない感がある。バイデン米大統領はドル高容認の姿勢を崩していないから、今後も輸入製品や資材が多い企業などは価格転嫁せざるを得ない。ポンドと英債券が急落して、トラス首相は早々に辞任表明に追い込まれた。日本の債券市場は日銀が無制限に国債を買い入れているため、金利上昇(債券価格は下落)ということにはならないが、いつまで買い続けられるのだろうか。

|

« 人生は走馬灯のようなもの | トップページ | 投機家は証拠金を吹っ飛ばした »

株・為替」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 人生は走馬灯のようなもの | トップページ | 投機家は証拠金を吹っ飛ばした »