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2022年11月 8日 (火)

いずれ「ねずみ講」と同じで破綻

2015_06_22_10
神奈川県E市の新築・中古マンション価格の上昇した理由と今後の見通しと言う記事があった。愚生は上がった物は下がると思っているが、そう簡単な話しではないようだ。一般的には、新型コロナの拡大で緊急事態宣言が行われた2020年4〜5月には株も不動産も大きく下げた。しかし、その後は回復して高値を更新し続けている。マンション価格の上昇の要因で最も影響したのは、金利の低下で同じ返済額でも約2割高い物件を買えるようになった。例えば、フラット35で期間35年・月々の返済額が10.4万円とした場合、購入できる不動産は3,000万円から3,500万円まで上がった。同じ返済額で購入できる物件価格が2割上昇したことは、値段が高くても買おうとする人は増える。さらに駅周辺の再開発が進んだことで人口の増加も追い風となった。それため住宅に対する需要も増え、利便性の高いマンションの価格は上昇した。一方、新築マンションの供給戸数は年々減っている。特に、2018年ごろからすでに新築マンションの供給が減っていたが、新型コロナでさらに減少した。人口が増えているのに対して、供給戸数は減ったことも大きな要因だという。こういう理由から新築・中古ともにマンション価格の上昇が続いている。しかし、元凶は政府の異次元緩和政策を2%物価目標とした結果だろう。財政赤字は拡大し政府は出口の見えない泥沼に陥ってしまった。今も将来世代にツケを回し続けている。長短金利の利ザヤで収益を上げていた地銀は、この異次元緩和によって本業で赤字になった。異次元緩和が終わると、米国同様に日本でも金利は上がる。1%金利が上がれば、35年の住宅ローンで15〜20%も返済額が増える。そのため、不動産の価格も15〜20%程度下げることが予想できる。愚生は不動産価格など、水商売の売り上げと同じだと思っている。売却して資金回収が終わるまで正確な価値は分からない。来年の四月に黒田日銀総裁は退任するというから、あと約半年ぐらいの間しかない。家を建てる子育て世帯(25〜49才人口)の数は減っていくため、駅近の便利なマンション以外では実需はなくなる気がする。都心回帰や駅周辺に人口が集中する傾向は、今後も変わらないだろう。現金で買うなら別だが、住宅ローン金利が大きく上昇すれば、住宅価格は暴落する。どちらの影響が大きいか分からないので損得の判断は微妙だ。住宅を購入する人は、自宅を「投資」「消費」「浪費」のどれと捉えているかでずいぶん違う。消費と考えれば、家賃と比べて検討をすべきだ。多くの人は家を建てたときに、支払った積算価格が価値だと思っている。しかし、上物は木造なら22年で評価は0円だろう。更地渡しだろうから、並みの家なら価格は土地値―▲150万円くらいだ。土地神話時代のような高インフレでもなければ、必ず損をする。上物の建築費は、今の金利なら地方では月十万円くらいの家賃と同じだろう。都会なら更に高いだろうから、家賃が月に20万円を超えるならば払える人は少ないから家を建てた方が得なようだ。ただし、土地持ちならよいが、土地も買うなら不要になった時にすぐに売却できる場所でなければ計算のしようがない。いくら安くても市街化調整区域内の特例で建てたような物件の資産価値はゼロだ。愚生のような高金利を経験しているものは、多少金利が高くても固定金利を好む。しかし、住宅ローンの7~8割は金利が安い変動金利だというから不安だ。特に、何億も借金してアパート建設をしている投資家は100%が変動金利だろう。金額が大きくなれば、個人と言え不動産会社と同じだ。千昌夫や五木ひろし、桑田真澄、島田陽子、江川卓と破綻者は数え上げたらきりがない。古から今に至るまで、この業種の会社は数えきれないほど破産してきた。お金を貸す側も問題だろうが、借り手責任もある。愚生が幼少期を過ごした地方都市でも、人口減少の最中にアパート建設がいっこうに止まない。住宅会社の営業が地主を騙し、銀行はグルで余剰資金を貸すからだろう。しかし、いずれ「ねずみ講」と同じで破綻することは明らかだ。ユーチューブを覗けば、何十億円もの投資家でキャシュフローが何千万円と自慢する人が多数いる。全員とは言わないが、金利が上昇すれば多くの破産者が出ることは目に見えている。この予見だけは、亀の甲より年の功だと思う。

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