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2022年11月 7日 (月)

「店頭に客があふれたら相場の転機」

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日経新聞に興味の沸く記事があった。「FIRE(Financial Independence,Retire Early)」働かなくても投資が生む利益で自由に暮らせる人生だ。サラリーマン経験がある人は、一度はこの夢を考えたはずだ。記事では、A氏が2030年ごろまでにはFIREを実現しようと、2021夏から米国のハイテク株価指数の動きに対し倍のリターンを目指す投資信託、通称「レバナス」を始めたという。当時の株式相場は右肩上がりで中長期でも上昇が見込めると思ったのだろう。上昇曲線はずいぶん前から続いたため、愚生も同様の考え方を持っていた。しかし、その頃は日本人投資家が群がるように米国株に殺到してきた。そう考えれば、ピークを打ったとも考えられる。米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めの姿勢を強めていくと、それまで最高値で推移していた米国株の相場が大きく崩れた。そして、今も株安懸念がくすぶる。A氏は累計で約600万円をレバナスに投じ200万円弱の含み損を抱える。新型コロナウイルス下の金融緩和によるカネ余りで株価が上昇し、レバナスは個人投資家の間でブームだったようだ。しかし、米ナスダック総合株価指数の倍の値動きになるようにレバレッジをかけているから、下落した場合は損失も倍になる。レバレッジをかけるというという事は、信用取引と同様に短期売買での考えだ。現物保有と違い中長期の資産形成に向いていない。愚生が株式投資をしていた時に、1987年10月19日(月曜日)に起こった世界的株価大暴落「魔のブラックマンディー」を経験した。その時は運よく家の買い替えで株を全て売払っていたため被害は少なかった。今回は、昨年の暮れに終の棲家のマンション購入をしたため利が乗ったIT関連株を4割程度売った。株高が長く続くという幻想もあったが、マンション価格も上昇一途だったため結果的に妥協したことが良かった。ただ、個人的には更に米国株上昇はすると思っていたから、運が良かったとしかいいようがない。また、埼玉県に住む40代の派遣社員、B氏は月5万円弱を米国株に積み立て投資している。保有する投信の評価額は下がり、今も1割超の含み損を抱えている。さらに酷いのは仮想通貨だ。C氏は仮想通貨に投資し、ピーク時の保有額は1100万ドル(約16億円)に達した。今年に入り、「テラ」の急落などで様相は一変した。その後の保有額はピーク時の数%に沈んだという。愚生も遊びでFXや仮想通貨を少しやってみたが、いずれも博打だと思って止めた。仮想通貨は株式と並ぶ緩和マネーの受け皿だった。1年前には市場全体の評価額が3兆ドルを突破した。しかし、もうけ話に乗り遅れまいと多くの人が参戦したが、今や市場の評価額は3分の1に縮んだ。総評価額が縮小したのだから、中には大損した人は多いだろう。「店頭に客があふれたら相場の転機」という諺もあるが、歴史的な株高が転機を迎えたのは確かだ。市場のしっぺ返しを受けた個人マネーは株価の上昇期待を持ち続けられるだろうか。この記事では株が下がっているから、損失の話ばかりがでてくる。実際FIREが可能な人は、運用額が10億円位は欲しい。10億を毎年1%出運用すれば、手取りで800万円位だ。67万円/月位であれば、妻子があっても生活は何とか可能だろう。よく不動産の実物投資で、例えば投資額17億円、借入金11億円。そしてキャシュフローが潤沢だと自慢するひとがいる。愚生が気になるのは、投資額は理解できるが、少子高齢化社会で評価額が実物資産として見合っているのだろうか。あっても7掛け(70%)くらいで見積もらなければ、現金に簡単に戻せない。このケースの場合、仮に評価額は投資額と等しくても、現金化すれば資産ゼロになってしまう。

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