紙幣も裏付けがない紙
仮想通貨交換業大手FTXトレーディングの経営破綻は市場を大混乱に陥れた。その後の調べで、FTXのずさんな経営実態が明るみに出た。創業者で前最高経営責任者CEOのサム・バンクマン・フリード(30)は、いったい破綻の原因となった関連会社とどういう関係だったのだろうか。本人は何が起きているのか正確には知らなかったというが、そんな奇弁を投資家は信じないだろう。バンクマン・フリードは両親がともに米名門大学のスタンフォード大ロースクールの教授で、自身もマサチューセッツ工科大(MIT)で物理学を学んだという経歴だ。倫理観はともかく、頭は切れる人物なのだろうから、知らなかったはずはない。彼は大学卒業後に米トレーディング会社に入り、トレーダーとして約3年間勤務した。そこで仮想通貨市場の収益機会や将来性に目をつけ、退職後に起業した。彼が最初に自己資金で起業した投資会社はアラメダ・リサーチだ。今回、顧客資産の流用疑惑でFTX破綻の原因となった会社だ。この会社は、最終的には租税回避地(タックスヘイブン)のバハマに移った。仮想通貨市場の急拡大で、2022年1月の外部投資家からの資金調達時、企業価値の評価額は320億ドル(約4.4兆円)に達した。FTXの資金調達時には資産運用世界最大手のブラックロックやシンガポールの政府系ファンドのテマセク・ホールディングスなど、名だたる投資家が列をなした。彼の個人資産もピーク時に265億ドルに達した。しかし、彼は先月の会見では、手元にあるのは10万ドル程度の銀行預金とクレジットカード1枚のみと答えている。米大リーグの大谷翔平選手らを広告に起用し、顧客層の開拓もおこなった。時代の寵児から一転悪役に転じたフリードの迷走で、仮想通貨業界が混沌としている。愚生自身、未だになぜ仮想通貨が価値を持つのか理解できない。紙幣も裏付けがない紙ではあるが、日米やEUの場合は一応、国の信用がある。また、金地金も価格操作が噂されはするが実物資産だ。ただ、金のETFも最近は裏づけが怪しいと言われている。買うなら、上場して取引されている三菱マテリアルのETFが安心な気がする。何故なら、保証の担保している金は全て直島製錬所で品質管理チェックのもと生産されたものだからだ。例えば、東京証券取引所に上場している「1540」金の果実シリーズのETF(現物国内保管型)だ。三菱UFJ信託銀行が金現物を裏付けとするETFを発行している。宣伝ではないが、破綻まで考慮すれば愚生は、米SPDRの金ETFより三菱の方を信用したい。
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