ドルの続落も見込まれる
愚生だけではないと思うが、金利の先高観から為替市場で先々円高になると予想する。岸田文雄首相は黒田日銀総裁の交代を明言しているから、後任の人事案を2月には国会へ提示される。新しい総裁の下で、見直されるものもあるだろう。いずれYCC(イールドカーブコントロール)が撤廃された場合、長期金利がどの程度まで上がるのだろうか。日米の10年物国債利回り(長期金利)は一定の相関を保ちながら共振するため、過去の値が参考になる。3%台半ばの米国長期金利から推定すれば、日本の長期金利は1%程度だろうと推定される。昨年11月以降の日米金利差とドル/円との関係に照らせば、2%台半ばの金利差に対応するドル/円は120円程度となる。実際にYCCが撤廃されれば、短期的にはドル安・円高期待から、120円割れもあるかもしれない。今後、米国の景況感の悪化を受けて米金利の低下観測がくすぶる。利回り上昇局面では円債購入需要もあるかもしれない。いずにしても、日銀の正・副総裁人事やそれに続く政策変更の有無、内容を見極めるまでの間、ドル/円相場は予測がつかない。為替相場が予想できなければ、外国株式の価格云々より為替による損益の方が大きい。投機筋の動向を見極めないと投資環境は揃わない。金利動向と為替ばかりが注目されるが、アナリストの中には剰余金の絶対額が問題だという意見もある。金融緩和のQEによって、市場に出た余剰資金とS&P500の株価インデックスカーブが同じ曲線だからだ。金融引き締めで余剰資金を市場から引き揚げれば株価は下がる。市場金利や企業のファンダメンタルズよりこちらの影響が大きいと言う。また、日本の貿易収支も引き続き高水準の赤字が続く見込みだろう。投機筋と違い、これらは一方通行に近いコンスタントな円売りだ。実質実効為替レートに照らせば、依然として円は割安だといわれる。米国経済は、景気後退入りが懸念されており、ドル指数も昨年9月のピーク時に比べ、約11%も下落した。インフレがこのまま鎮静化に向かうとの見方からドルの続落も見込まれる。明日のことは分からない。終活に入った愚生には、方向性が決まってから考えればよいと思っている。それまでは、このインフレ最中は質素倹約に励むしかないだろう。
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