「心動けば相場に曲がる」
株式相場に「心動けば相場に曲がる」という格言がある。愚生の人生を振り返ると株で勝った記憶は少ない。ただ、偶然のことだが、必要に迫られて売却した時が相場の高値だったということはある。株を買うときは何割上がったら利食いしようとか、取引の計画を立てる。しかし、実際にその株が勢いよく騰がり始めると、まだまだ騰がると欲が出る。こんなところで利食いするのは、もったいないと考えるからだ。その結果、当初の計画を無視しているうちに含み益が消えて、元の木阿弥になる。要するに、冷静に投資するには、我欲を抑えなければ相場観も曲がってくる。簡単なことのようだが、なかなか難しい。ただ、最近少し分かってきた気もするが、既に終活時期になってしまった。中学生時に「少年老い易く学成り難し・・」という漢詩を覚えたが、「階前の梧葉、已に秋声」と言う時期になってしまった。人生は長いようで、あっという間のような気もする。今から考えると、若い時の悩みなど取るに足らないことは多い。しかし、その当時は必至だったのが可笑しく思える。つまらないことに悩んで、ずいぶんと無駄な時間を費やしたと思う。ブログを書いていると偶然に「ニュー・シネマ・パラダイス」のエンニオ・モリコーネの映画音楽が流れてきた。映画の内容は、中年を迎えた映画監督が、映画に魅せられた少年時代の出来事と青年時代の恋愛を回想する物語だ。感傷と郷愁、映画への愛情が描かれた愚生が大好きなイタリア映画の一つだ。この映画のような人生ではなかったが、時々日の当たる場所も歩いてきたので満足はしている。世の中、何でも自分の思うようにはならない。身の丈に合った生き方が大切だとつくづく思う。
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