アベノミクスの金融緩和政策の失敗
日経新聞に2023年の重要な投資テーマの一つとなりそうなのが円高だという記事があった。新年アンケート調査で市場関係者に円の対ドル相場の予想を聞いたところ、2023年内は1ドル=120~126円未満と答えた人が合計で全体の7割に達した。昨年は、円相場は32年ぶりに151円台まで下落した。昨年末に日銀は長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)の運用を見直し、長期金利の変動許容幅を従来の0.25%から0.50%に引き上げた。日銀の追加利上げで円相場は一時130円台まで上昇した。金利の高い通貨は通常、外国為替市場で買いが集まる。市場関係者は、日銀がさらなる政策修正に踏み出すか、日銀が長期金利を制御できなくなるかのどちらかだと予想する。2023年12月に上限が0.9%になると予想したストラテジストは、根拠として7~9月期中のYCCの撤廃、10~12月期のマイナス金利の撤廃を見込むからだという。例えば、YCCを見直しとマイナス金利の解除は最多の42.2%、YCCを見直しと金利の変動幅の拡大は39.1%だった。8割近くの市場関係者は、金利の見直しと言うか上昇を予測する。その金融政策に大きく関わるのが次期日銀総裁だ。また、円を含む外為相場や株価に大きな影響を与えるのが米国の金融政策だ。米連邦準備理事会(FRB)は急激なインフレを受けて、2022年3月に利上げを開始した。12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げ幅をこれまでの0.75%から0.5%に縮小した。パウエル議長は会見で2023年は利上げ幅がさらに縮小したり、利上げを休止したりする可能性が高いと説明した。米国市場関係者の予想では、FF金利のピークは「2023年1~3月期」との見方が最多の61.3%、「同4~6月期」が33.9%で2番目に多かった。ピークの金利は「5.00~5.25%」が最多の61.9%、「4.75~5.00%」が19.0%で2番目に多かった。この予想通りなら、米利上げはすでに最終段階で、2023年前半に終わる。そして、FRBは景気への配慮に軸足を移し、年終盤には利下げに転じる可能性が高いと見る。米国が利下げに動けば、世界の株式市場にとって好材料となる。一方、米利下げは日米金利差の縮小につながり、円高・ドル安に拍車をかける。米国株は上昇しても、今度は円高が相殺して日本円ベースではどうなるかわからない。ただ、確実にいえることは今の日本の低金利が続けばインフレは収まらない。少子高齢化で、老人が増え働き手は減っている。年金世代が多くなれば、インフレは死活問題になる。アベノミクスの金融緩和政策の失敗で、低金利でアパートや住宅建設には追い風だった。しかし、労働者の賃金上昇はなかった。要するに、低金利にしても企業は生産設備に投資し活性化しなかったということだ。業種転換がないまま、低金利でゾンビ企業を延命した。生産効率の向上と言っても老齢化社会では容易ではない。やはり観光立国や移民を受け入れる施策しかないのだろうか。
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