これで円安・ドル高が進む
政府が日銀の黒田東彦総裁の後任人事について雨宮正佳副総裁に就任を打診したことが報じられた。政府は副総裁ポストを含めた人事案の最終調整というから、これで決まりなのだろう。次期日銀総裁には、雨宮現副総裁、中曽前副総裁、山口元副総裁の3人が有力と報じられてきた。その中で、最も継続性をアピールできるのが現任の雨宮氏だった。一方、異次元緩和からの距離感・改革色を最もアピールできるのが山口氏だ。山口氏については自民党安倍派の強い反発があったというから、岸田首相は党内で求心力を維持するための選択なのだろう。ただ、黒田総裁が主導した異次元の金融緩和は一定の成果があったが、市場機能の低下や財政規律の緩みといった副作用も目立つ。雨宮氏は2013年に就任した黒田総裁を企画担当理事や副総裁として支えた。そして、問題の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)といった金融政策のほとんどに関わってきた。ほとんどの人が、円高回帰と思っていたところに、このニュースが流れたため円安に振れ1ドル132円台に乗せた。愚生も当てが外れたため為替ヘッジの投資信託を売却して「無し」のものに買い替えた。雨宮氏の施策は分からないが、黒田総裁を踏襲するなら、米国の政策金利引き上げを踏まえれば円安方向に振れる気がする。次期総裁は経済・物価情勢を見極めたうえで、金融政策の正常化をどう探るのだろうか。超低金利に慣れた企業や多くの変動型住宅ローンを抱える個人にどう対処するのだろうか。これで円安・ドル高が進むと考えるのは先走りなのだろうか。
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