« 注目されていたFRBの声明 | トップページ | これで円安・ドル高が進む »

2023年2月 4日 (土)

将棋だけでは十分な稼ぎではない

Img_b800f80282eac09515f2cf9b5373be909960
日本将棋連盟から昨年の獲得賞金・対局料ランキングを発表された。藤井聡太五冠(20)=棋聖・竜王・王位・叡王・王将=が1億2205万円で、1億円超は藤井五冠、ただ1人だった。
2位以下は次の通り(カッコ内は前年の順位と獲得額)
②渡辺明二冠=名人・棋王7063万円
③豊島将之九段5071万円
④永瀬拓矢王座4668万円
⑤斎藤慎太郎八段2362万円
⑥広瀬章人八段2166万円
⑦菅井竜也八段1970万円
⑧佐藤天彦九段1819万円
⑨山崎隆之八段1770万円
⑩稲葉陽八段1580万円
女流棋士は、里見香奈女流五冠(30)=白玲・清麗・女流王座・女流王位・倉敷藤花=が1位(金額非公表)に返り咲いた。
これは獲得賞金と対局料の収入だけのランキングのため、実際の年収とは乖離している。例えば、藤井5冠の場合はCM料や将棋免状、扇子、色紙やイベント出場料など更にもう1億円以上はあるだろう。しかし、愚生の感覚では大変な仕事の割には、棋士の収入は少ないと思った。女流棋士の場合は非公開とあるから、もっと少ないのであろう。長年トップを快走していた羽生九段もB1に降級するとトップ10にも入らないようだ。順位戦に参加できない下位のフリー棋士などの暮らし向きが楽ではないような気がする。桐谷広人七段のように株で生計を立てている人も多いのかもしれない。桐谷さんが株を始めるきっかけとなったのは将棋だった。プロ棋士だった桐谷さんは、1980年代には将棋についての著作を活発に出版するなど、プロ棋士として活躍していた。そんな活動のひとつとして、証券マンたちへの将棋指導があった。それがきっかけで、個人投資家になったという。実際に株で生活するなら年間400万円程度(月33万円程度)で可能だと言う。株主優待でおなじみ桐谷さんは、株で4億円を稼いだという。トップ棋士でないかぎり、将棋だけでは十分な稼ぎではないようだ。将棋と言えば新聞や雑誌の棋譜が紙面を埋める。そのため、新聞社主催が多かったが、次第に本業が斜陽産業化したころから賞金や対局料が増えていないのだろう。最近は藤井5冠の出現で、ネットテレビの解説やゲスト出演などが盛んに放映されているから多少改善したのかもしれない。そう考えれば、将棋界は囲碁界のように縮小しているようには見えない。東京将棋会館や関西将棋会館の新築移転などが将棋界の活況を物語っている。
しかし、趣味を活かして生活しているのだから贅沢は言えない。棋士生活の年は強ければなに等しい。そう考えれば、画家や音楽家かよりも恵まれた環境なのかもしれない。

|

« 注目されていたFRBの声明 | トップページ | これで円安・ドル高が進む »

将棋」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 注目されていたFRBの声明 | トップページ | これで円安・ドル高が進む »