玉の守りは金銀三枚
将棋プロ棋士の棋譜を人工知能(AI)で分析し、将棋の強さ「棋力」を数値化できるという。この分析によると、六冠を獲得した藤井聡太王位(20)の数値は他のトップ棋士と比較しても突出して高い。研究では、日本将棋連盟の協力を受け全棋士が指した約23000局と、藤井六冠を含むトップ棋士9人が直近に指した約2000局の棋譜を一手ずつ解析した。人間はAIほど完璧に近い手を指し続けられないため、基本的にはマイナスで表示され、ゼロに近いほど棋力が高いと判断される。研究の結果、近年の全棋士の平均損失がマイナス60前後となったのに対し、トップ棋士平均はマイナス45-50との差が確認できた。藤井六冠はマイナス30前後と突出して高かった。これは藤井六冠が平均的な棋士と互いに10手ずつ指せば、評価値で300以上の差が付く。この研究を進めれば、活躍期間が異なる棋士同士の棋力も比較できる。羽生善治九段(52)が全七冠を達成した1996年前後の数値を調べたところ、マイナス40-45だという。結果から藤井六冠の棋力が当時七冠の羽生九段より上回っている。ただし、研究結果がすべて正しいとは限らないから真偽は判らない。また、将棋の中盤以降の難解な局面でねじり合いをする能力は、AIで直接磨くことは難しいという分析結果だ。愚生は詰みのある終盤はAIが圧倒的に強いと思う。しかし、中盤などは差す手が広い場合に必ずAIの手が最善かは疑問に思う。AIというと、何か生き物のようだが、内部はアルゴリズムとデータだ。分析その物が、間違っている可能性は否めない。AIに何故その手が正しいのか、詳細な説明をしてもらわないと棋士は判らない。愚生が幼い頃に習った頃の将棋定跡と近代の将棋は大きく違う。一番大きいのは、玉を堅固に囲わないことだ。格言には「玉の守りは金銀三枚」という。しかし、最近のプロ棋士の将棋は居玉のまま戦いを始めることもある。時代は変わったものだと思う。
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