4~5年前から徐々に明らかに
ドル・円は、1ドル=140円を手前に円高に揺り返した。このまま円高かと思っていた。しかし、米供給管理協会(ISM)が3日発表した7月の非製造業総合指数(NMI)が予想に反して4カ月ぶりに上昇に転じた。この予想を上回る米国指標などを受けて、海外市場では134.55円までドル・円が上昇した。2日の安値130.40円から2日間で、4円を超える大幅な値動きとなっている。そもそも円安から円高への転換は、ペロシ米下院議長の台湾訪問と米中対立への警戒感からだったという。ドルを売買する理由は様々だろう。そして、その動きは米10年債利回りが2.85%台と、2日の2.51%から急速に切り返したのと同期している。そうであれば、為替は米10年債を見ていれば傾向が分かるのだろうか。今日のドル・円予想レンジは、132.50~135.00円というから、ずいぶんと広いレンジだ。外国株に投資していると、株価の変動より為替の動きの影響が大きいこともある。ところで、歴史的なコンピュータの利用形態の変遷は以下の通りだ。
(1)メインフレーム全盛期の集中処理
(2)分散システム(オープンシステム)の抬頭によるクライアント・サーバなどの分散処理
(3)インターネットに代表されるネットワーク中心の、新しい集中処理
(4)世界に分散したユーザーがサーバを意識せずサービスを受ける(クラウドコンピューティング)
愚生がF社に入社した頃は、(1)の全盛期でIBM360システムが世界を席巻していた。洗練されたIBM機器を見て、巨像に蟻が立ち向かう様だった。通信速度が遅かった時代のIBMのSNA(システム・ネットワーク・アーキテクチャー)に感嘆したものだった。愚生がネットワークシステムに関与したのはこの頃からだ。FNAと称したシステムは、IBMシステムのコピペに近いものだった。その後、IBMという大きく育った恐竜の動きが遅くなるにつれ、それから逃れようとオープンシステムが台頭してきた。マイクロソフトやサンマイクロシステムズなどの分散システム化だ。次に、マイクロソフトのWindowsOSにTcp/ip(インターネット・ソケット)が標準装備されたことで、一気にPC端末を介したインターネットが加速した。動きが遅い米軍主導で標準化されていたOSI(オープン・システム・インテグレーション)は、吹き飛ばされてしまった。その後に来たものがクラウドコンピューティングだ。こんなことは、愚生でなくともコンピューター・エンジニアなら15年前くらいから予見できた動きだ。そして恩恵を受ける勝ち組企業は、4~5年前から徐々に明らかになってきた。今後も通信速度がいっそう速くなるに従って、多種のクラウドサービスが出現するだろう。そして、同時にサービスを実現するために級数的に記憶容量が必要となる。自明なことを最近になって得意顔で言う株式評論家には呆れてしまう。
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