基幹システム

2019年11月19日 (火)

夕日を拝む市場はいつまでも続くはずはない

N12 コニカミノルタの構造改革が出遅れているという記事があった。今から、20年位前以上だっただろうか。当時は、コニカとミノルタは別会社であった。ミノルタは、自社の製品をシステムに展開したがっていた。F社などのシステム機器が通常より数倍高値で販売されていたことが理由だろう。また、インターネットの接続の先駆け的に、複写機をWSP(ウェブサーバーパブリッシング)などと名付けて、市場にコンセプト製品を出荷してインパクトを与えていたことも一因だった。その装置(WSP100/200)の市場投入は、早すぎたせいで売れなかったが、愚生にとってはサラリーマン時代で最も日の当たる一時期だった気がする。昔を懐かしむ心は、すでに老人であることの証明だろう。コニカミノルタの話題に戻るが、今回また2020年3月期の決算予想の引き下げを公表した。システム展開を図るために、2018年からオフィスで必要なデータを管理、分析できるサーバソフトの売り込みに力を入れてきた。しかし、事務機市場の縮小をにらみ、次の収益源として顧客の業務改革推進を推奨するが、思うように進まないようだ。愚生に言わせれば、失敗すると思う。何故なら、複写機販売の営業は、その現場を切り取って業務改革を提案するだろう。しかし、業務データを管理する部門は、一元的に全社サーバーを統括する。複写機の要件などでは決まらないことが多いからだ。逆に言うと、現場の業務改革には、根幹をなす情報システムの業務改革が必要だ。システム部門とダイレクトに商談できるシステム営業やシステムエンジニアでなければ無理だろう。そうであれば、システムに強い大手メ-カーの独壇場になり、コニカミノルタの居場所はない。システム売り上げが予算通りには寄与しないだろう。2020年3月期の連結営業利益は前期比68%減の200億円になる見通しだという。7月末の予想をさらに400億円下方修正している。今回の新規事業も40億円分の引き下げ要因になるという。赤字予想の幅は昨秋の時点から徐々に広がり時間と共に成長の姿が見えにくくなっているのが現実だ。特に、山名社長は「デジタル時代に呼応したビジネスモデルは作りきれている」というが、独り相撲ではないのだろうか。その証拠に、2021年3月期に損益分岐点の1万件超えを狙っている計画線に対して、上半期の実績は大幅に下回ったとみられる。愚生が先ほど言ったことが、この社長には分かっていないようだ。コニカミノルタは、オフィスのペーパーレス化が進む中で事務機に利益の大半を依存する構造だ。リーマン・ショック前の2008年3月期には営業利益の69%を事務機事業が稼いた。2019年3月期も56%を占める。事務機市場が意外に底堅いことで何となく延命してきたが、夕日を拝む市場はいつまでも続くはずはない。事務機の失速で業績が厳しいキヤノンやセイコーエプソン以上に、深刻な問題だ。

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2019年11月18日 (月)

愚生の見る目は正しいだろうか。

Ing 米アマゾン・ドット・コムが、米国防総省を法的手段に訴えるという。アマゾンのクラウド部門は「JEDI」と呼ぶ国防総省の新システムの入札に関連して、米連邦請求裁判所に異議申し立てを行う。これは、米国防総省のクラウドコンピューティングを活用した情報システムの大型発注案件で、アマゾンが受注を失敗したからだ。米マイクロソフトに契約を取られたのは、政治的な影響だとの主張からだ。国防総省が準備を進めてきた情報システムは、契約金額は100億ドル(約1兆1000億円)というからアマゾンが異議申し立をするのも納得できる。アマゾンはクラウドで約3割の世界シェアを握る最大手だ。政治的な真偽はともかく、ジェフ・ベゾスCEOは、トランプ米大統領に批判的なワシントン・ポストのオーナーを務めていることが影響したとの見方が出ている。アマゾンは「当社は経験が豊富で、米国の軍事に欠かせない重要な技術を提供する資格を持っている」と主張する。そして、政府と選挙で選ばれたリーダーは、客観的かつ政治的な影響を受けない方法により調達を管理すべきだと批判する。トランプ大統領の意向がJEDIの入札に影響したかどうかは不明だ。やはり、JEDIは契約金額の大きさに加え、高い信頼性が必要となる軍事用途のため、アマゾンは受注したかったのだろう。受注や技術力の安定性的な企業評価は、ほかの政府案件や民間企業からの受注に大きく作用する。実は、アマゾンは自身もFBIからの受注で、信頼性への評価を高めたからだ。情報量の飛躍的な拡大で、システムの肥大化が級数的に増加してくる。クラウドの利用は当初、スタートアップ企業などに限られていた。しかし、大手企業や高い信頼性を求める政府機関、金融機関などにも普及してきた。これからの新規システムは、クラウド化への流れは止めようがない。法人向けが強いマイクロソフトは、こうした追い風を受けてクラウド事業を拡大している。長い目で見れば、基幹系システムにまでウインドウズサーバーが食い込んでいるため、マイクロソフトが有利との見方もある。なぜなら、ソフトはコピーすればコスとはゼロだ。多くのサーバ-ソフトを持つマイクロソフトは、それらを組み合わせたクラウドコンピューティングでも優位に立つような気がする。そう思って、愚生もアマゾン株を半分ほど処分して、マイクロソフトに変えてきた経緯がある。愚生の見る目は正しいだろうか。

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2019年11月 8日 (金)

半導体から量子へ「量子コンピューター」

01 最近は、量子コンピューター開発の記事が多い。愚生のような古いエンジニアは、コンピューターといえば2進法だと思ってしまう。そもそもなぜ2進法がコンピューターで使われたかといえば、電気回路のコストの問題からだ。電気回路で、「1」と「0」という状態を判別する回路は簡単だ。電圧があるレベルの「状態以下」か「以上」を判別すればよい。トランジスターのスイッチング状態(飽和領域)で簡単に作りだせる。3進法では、中間の値が「A<B<C」であれば、「A以下」と「C以上」という3つの状態を作り出す回路が必要だ。「ある」「ない」の方が、電気回路は遥かにコストが安く、信頼性が高い。そういう考えがこびりついてしまっているため、実現性を考えられると量子コンピューターを理解することが難解だ。量子コンピューターには、あらゆる計算処理が可能な「量子ゲート方式」と、最適な組み合わせを見つけ出す計算に特化した「量子アニーリング方式」の2種類がある。量子ゲート方式にはグーグルのほかIBM、マイクロソフト、インテルといった米IT大手が開発に取り組んでいる。この方式は、広範囲の分野での応用が期待できる半面、高速化と安定性の両立が難しく本格活用には20~30年かかるとみられている。量子ゲート方式や量子アニーリング方式では、超電導を起こすために絶対零度に近い極低温環境を作り出す必要がある。量子アニーリング方式は、2011年に世界で初めてカナダのDウエーブ・システムズなどが実用化し、商用化でも先行している。ただ、量子アニーリング方式は組み合わせ最適化計算にしか使えないという制約がある。一方、アニーリング方式は、量子現象を現行のコンピューターで疑似的に再現するため、超電導を起こすための冷却装置などはなくても常温で稼働できる。そのため、開発には現実的な方式のようだ。既存コンピューターの仕組みを発展させたデジタルアニーラは、実際の量子運動を計算に応用しておらず、厳密には量子コンピューターではない。膨大な選択肢の中から最適解を見つけ出す「組み合わせ最適化問題」に特化したコンピューターだ。そういえば、世界の企業に本格的なコンピューター活用を促した米IBMの大型汎用機「システム360」発売から55年を経た。半導体から量子へとコンピューターの頭脳が切り替わる「量子コンピューター」は、もうずいぶん前から展示会などでは紹介されている。量子力学特有の0でもあり1でもある「量子重ね合わせ状態」を応用するコンピューターが実用化されれば、人工知能(AI)などの分野で飛躍的な発展は間違いない。しかし、それを目にするまで、愚生がこの世にいるかどうか自身はない。

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2019年10月30日 (水)

システム事業を扱っている企業の業績が好調

Pb12_20191030091801 アマゾンやマイクロソフトは、レンタルサーバーが伸び好業績だ。システムのクラウド化によって、富士通やNECなどのシステム事業を扱っている企業が好調だ。2019年4~9月期の業績は、両社とも本業のシステム事業が伸びた。事業環境は、パソコンの買換需要や働き方改革を背景とした省人化投資に追い風だ。これまで進めてきた構造改革も、損益に寄与してきた。特に、人員削減の人件費負担が減った影響が着実にでている。ただ、ここにきて業績が上向いているのは、パソコンの需要が大きく伸びているからのようだ。米マイクロソフトの「ウィンドウズ7」は2020年1月にサポートを終了する。JEITAによると、4~9月期の国内パソコン出荷台数は、前年同期比で5割増加した。そのため、サポート切れ後に問題が起きたときに責任が問われかねない企業向けが好調だ。国内のパソコン市場は金額ベースでも5割近く増加している。当然、それを扱う富士通やNECも高業績が期待される。また、国内でも2019年度のソフトウエア投資は前年度比12.8%増というから、国内では公官庁や金融向けを中心にシステム投資が盛んだ。富士通などは、いち早く半導体や液晶などの不採算事業の売却を進め、事業をシステム中心にシフトした。惜しむらくは、パソコンや携帯電話を早期に切らなかった富士通山本元社長時代の経営失策が悔まれる。子供でも分かりそうなリストラが遅れたことは失笑に値する。両社とも従業員数を減らし、工場や建物などの有形固定資産を度縮小した。この事業のスリム化で、売上高に占める固定費の割合が低下するから、利益が増えやすい事業構造になった。そのせいで、両企業の株価は年初から上昇基調が続いており、富士通は31%、NECは40%も上昇した。生き残りのため、規模より収益性を追求して身を縮めた結果、富士通の売上高営業利益率は大幅増益の2020年3月期見通しで3.5%、NECも3.7%の黒字になる。しかし、米IBMの16%や米アクセンチュアの15%には大きく見劣りする。NECなどは、オービックにまで株価時価総額では逆転されている。いずれにしろ、両者とも次の成長事業をどのように育てていくかが課題になる。ところで、「乗り鉄」ファンには、近場では今年11月30日の相鉄・JR直通線の開業が楽しみだ。また、愚生の田舎では、富山地方鉄道と富山ライトレールが共同で、路面電車の南北接続を2020年3月21日に実施する。「南北接続」とは、富山ライトレール旧富山港線の軌道を富山駅直下に延伸し、先に開業した富山地方鉄道市内電車の富山駅停留場に接続する。運行開始に先駆けて、2020年2月22日に富山地方鉄道は富山ライトレールを吸収合併する。面白いことに、南北接続後の運賃は、現在の運賃が富山地鉄市内電車と富山港線の全区間で適用される。そのため、市内電車と富山港線を乗り継いだ場合、今はそれぞれ210円ずつ、合計420円かかっていたものが半額になる。こうした価格設定の背景には、富山市がコンパクトシティのために、マイカーからマイレールへモーダルシフトを進めるためだ。なお、南北接続当日運賃は無料にすることを検討中だという。今回の合併の77年前、富山地方鉄道とJR旧富山港線は(1941~1943年)同一鉄道会社だった時代がある。富山市の次の新規開業は、順調に進めば宇都宮市となる。2022年3月、宇都宮ライトレール(宇都宮LRT)のJR宇都宮駅東口~本田技研北門間14.6kmが開業する予定だ。「乗り鉄」のファンには、まだまだこれからも楽しみが多い。

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2019年9月27日 (金)

トーマス・クックが経営破綻

_1888_cover 英老舗旅行代理店トーマス・クックが経営破綻した。愚生はトーマス・クックというと、思い出深い。それは、今から四十数年前になる学生時代を思いだすからだ。当時、海外旅行が盛んでなかった時代、トーマス・クックのタイムテーブルとユーレイルパスで欧州を旅行した。北はコペンハーゲンから南はジブラルタル海峡近くの都市まで行った。金もない一人旅で、アポイントメント無しの旅行のため、気楽ではあったが必死だった。その旅行では、トーマス・クックのタイムテーブルで列車時刻を調べて移動した。本当に役に立つ時刻表だった。トーマス・クックの創業は、1841年というから歴史がある。500余りの実店舗を構える同社は、変化する旅行習慣に対して驚くほど適応力がなかったという。時代遅れなビジネスモデルだったため、英政府は同社を救済する措置を拒否した。その代わり、同社を利用して海外旅行中の英国人約15万人を帰国させる費用は、政府が負担する。英国が合意なしでEUを離脱し、破綻する企業が出た場合にも、モラル・ハザードを伴うような企業の救済をおいそれと行うことはないようだ。同社は2011年以降、経営難にあえいでいた。民泊仲介サイトを運営する革新的企業や、格安航空会社が台頭し、そこにポンド安と2016~2018年夏の猛暑が重なってとどめを刺されたという。そのせいで、ジョンソン英首相は、海外旅行者の帰国費用は負担しても、200億円拠出してトーマス・クックの経営破綻を救済することはしなかった。この破産で、トーマス・クックの筆頭株主である中国の復星旅遊文化集団などの株主は、出資金が紙屑になった。債権者も軽い損失では済まないだろう。世の中が変わる中で、生き残るのは容易でない。1960年代「IBMと7人の小人」と称した「UNIVAC、バローズ、Scientific Data Systems (SDS)、CDC、GE、RCA、ハネウェル」の中で、現在もコンピューター部門が生き残っているのは、バローズとUNIVACが合併したユニシスくらいだ。愚生がF社に入社した1970年代は、「IBMと7人の小人」と呼ばれるメインフレーム市場の戦いで決着がついた頃だった。IBMの市場シェアが70%を超え、他社のシェアがあまりにも小さかった。その後、小人5社は、撤退・売却・倒産の憂き目にあった。日の丸コンピューター企業と呼ばれたF社などは、小人にも数えられずに蟻が巨象に挑むような戦いだった。F社では、IBM製品を次々に買いあさって評価していたため、コンピュータールームで容易に見ることができた。物まねというが、当時のF社にはIBM製品をまねる技術すらなかった。愚生のような大学出たての、右も左もわからない新人まで駆り出して設計していた。当時を知る愚生には、あのブルーの横縞の入ったIBMロゴに畏敬の念を持つ。あの美しかったIBMも、GAFAやMANTのような新興企業に押され古惚けてきた。

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2019年7月14日 (日)

キャッシュレス決済の業者が乱立

Pn12_20190714081601 セブン&アイHDが、スマートフォン決済サービス「セブン・ペイ」の提供を始めたのは7月1日からだ。そして、3日に早くも不正利用が発覚した。そのため、まずは3日に高額なチャージができるクレジットカードとデビットカードによるチャージを停止した。翌4日には、現金など全てのチャージを停止し、新規登録もできなくした。そして、5日にはセキュリティー対策強化のための組織を発足させた。その後、セブン&アイHDはセキュリティーに効果があるとされる「2段階認証」の導入や、1日当たり30万円だったチャージの上限額の見直しなどを表明した。さらに、11日にはフェイスブックやツイッターなど「外部ID」によるログインも停止した。愚生もペイペイを使っているが、今までこの手の問題は起きていない。ペイペイは、中国のアリペイとも連携しているため、ファミマ、ローソン、セブンイレブンで利用可能だ。そのため愚生は、あえて問題を起こしているブン・ペイを使う気にはない。ここ一連の、セブン&アイHDは今後のセブン・ペイについて、まずは今月中にセキュリティー対策の具体的な施策を取りまとめ、サービス再開についてはその後検討すると言う。しかし、愚生はセブン・ペイを一旦停止して、設計思想を含めて一から見直したらどうかと思う。何故なら、オンラインで稼働しながらのセキュリティー対策のバージョンアップは容易ではない。どう考えても、対策後にテストプログラムを流してシステム評価などをすれば、最低3カ月程度は必要だ。実際、場当たり的に対策をするより、急がば回れでじっくり取り組む方が解決は速い場合が多い。セブン・ペイは、ペイペイのような稼働実績のあるシステムを導入しているわけではないから、なおさら安定稼働を不安視したくなる。特に愚生が気になったのは、当初は本人確認のための「2段階認証」を導入していないという。こういう仕様に、なぜしたのかという設計思想が問題だ。セキュリティーに対する認識の甘さが指摘されてもしょうがない。10月には、消費税率引き上げに合わせた政府によるキャッシュレス決済へのポイント還元事業が始まる。それに合わせて、遅ればせながらセブン&アイHDはセブン・ペイを導入したのだろう。いずれにしろ、今後の焦点となるのがセブン&アイHD側の再発防止策だ。不正利用の経緯や原因の究明など、この問題の全容を把握できているのだろうか。金融庁は、顧客保護に向けた再発防止策が十分かなどについて精査を進めるという。今後、セブン・ペイだけでなく、同様の決済サービスを扱う他社でもセキュリティーの問題が出てくる可能性はある。クレジットカードや電子マネーなども含むと、キャッシュレス決済の手段は数え切れない。愚生には業者が乱立ぎみで、どれが良い決済システムなのかわからない。今回のスマートフォン決済をめぐる相次ぐ不正利用の発覚で、キャッシュレス決済事業者の急拡大による安全面のリスクが浮き彫りになった。SuicaとPASMOのように、いずれは統合して頂きたいものだ。

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2019年3月27日 (水)

先人の屍を踏み越えての戦いだった

000pn12 先月、富士通は希望退職費用として461億円を20193月期に計上すると発表した。国内の間接部門に所属する2850人の希望退職だ。肩たたきで応募者する退職金費用だろう。愚生の想像だが、若い人は職場転換が可能だ。しかし、老人は無理だ。本人も受け入れ先も困難だ。社内に活躍の場がない社員は社外への転進を支援するというが、対象は間接部門や支援部門に所属する45歳以上の正社員と定年後再雇用社員とある。一番のターゲットは、役職定年を迎えて「スタッフ」として残っている旧管理職だろう。5000人というが、応募したのはこのクラスと定年を控えた年配の社員だ。一人当たりで逆算すれば1617万円だ。50歳以上ばかりであれば、平均で約40ヶ月前後の積み増し退職金だ。会社に居ても経費が掛かる旧管理職のスタッフ老人などは富士通には不要だろう。田中社長は、富士通も大企業病だというが当たり前だ。彼が就任1年目の2015年に掲げた「営業利益率10%」「海外売上比率50%」という経営目標を聞いたとき、馬鹿も休み休み言えと思った。こういう、いい加減なできもしない目標を持つのは大企業病に他ならない。実績は期待に程遠い結果だった。その原因は、取り組んできた事業強化策がうまく進まなかった。不採算部門や利益率の低い事業の売却は馬鹿でもできる。パソコン出身の前任者の山本社長は、馬鹿以下だったが・・・。それよりは少しマシだったが、伸長を期待した部門が育たなかった。これができないことは、何もしなかったという評価が順当だ。経費削減なら会計士の事務屋で十分だ。海外で伸ばすために田中氏を社長にしたはずだ。当初は「海外事業の拡大こそが私に期待されている」と言っていた。ところが、社長就任の4カ月後、田中社長は経営方針の転換を発表した。システム構築やソフトウエア、ITインフラ機器を手掛ける「テクノロジーソリューション」事業に経営資源を集中するという内容だ。これは当たり前のことだ。それまでの山本前社長が携帯電話やパソコンの「ユビキタスソリューション」事業、電子部品や半導体の「デバイスソリューション」事業を含む3本柱で進めてきた。そもそも、携帯やパソコンで将来が描けるとでも思ったのだろうか。前社長の馬鹿さ加減は、嘲笑に値する。しかし、今回の経営方針は思うように進まなかった。経営方針の公表からちょうど3年後の201810月、田中社長は営業利益率10%の達成を目指す時期を2022年度に先送り、併せて海外売上比率50%の目標を取り下げた。利益率が低いユビキタスやデバイスの事業を切り離し、国内のシステム構築サービスなどの利益率が高い事業に集中すれば、営業利益率が10%に向上すると思ったようだ。ところが、この分野に素人で、コンピューターを知らない田中社長には無理だった。素人は他人の芝は青く見えるが、なぜ青くなるかを知らない。グローバル展開と言っても、投資に対するリターンは期待に程遠かったことが実績だ。海外などの欧州や米国で、これまでどのくらい富士通が失敗してきたかを知っていれば容易に理解したはずだ。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるという発想では、上手くいくはずはない。富士通の商品など、容易に海外顧客へインテグレーションできるはずはない。IBMやアクセンチュア、セールスフォースドットコム、オラクルのように圧倒的な差別化技術が必要だ。そして、コンピューターは英語文化の上に成り立つ。だから、日本の顔を見せた途端に売れない。更に、英語圏でもない極東の文化など世界に通用しない。世界の流れを国内で先取りするか、せいぜい、漢字圏あたりを抑えることが精いっぱいだ。それは少しコンピューターが分かっていれば理解できる。悲しいかな田中社長には、その知識がなかったようだ。「富士通には自分が持っているものから考えてしまう大企業病がある。」と反省の弁があるが、自分の持っていない物では戦えない。愚生が開発部長をしていた頃の部の標語は「馬鹿な営業でも説明なしで売れる製品」の開発だった。昔を思い出すと何か熱くなってくる。愚生の時代も、先人の屍を踏み越えての戦いだったことを思い出す。

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2019年2月13日 (水)

FACOM128B が未来技術遺産に登録

20181221_01_index_pic_4 富士通ジャーナルに、世界最古級のコンピューターが、今も富士通沼津工場内で動くと言う記事があった。それは、1959年製のリレー式計算機FACOM128Bだ。そして、今もカスタマ・エンジニア(CE)により保守稼働を実現している。この記事のH氏は入社してカスタマ・エンジニア(CE)に配属された。H氏は「私が入社した1978年には、富士通がMシリーズというメインフレームの計算機(大型コンピュータ)を造り、IBMがSystem/370シリーズという計算機を出し始めていました。その頃からソフトウェアを開発するSE(システム・エンジニア)と、ハードウェアをインストールした後も定期的なメンテナンスを行い、動かなくなった時に直すCE(カスタマ・エンジニア)という二種類のエンジニアが必要とされるようになり、SEとCEがペアで活動していた。」という。こう聞くと古い話のようだが、F社では愚生より入社も歳も後輩になる。当時を思い出せば、愚生の部門はメインフレームに接続するIO機器の開発だった。富士通には、1973年に発表した仮想記憶方式を採用したFACOM230 "8"シリーズという独自コンピューターがあった。"8"シリーズは、従来の"5"シリーズのソフトウェア互換を実現していた。記憶は定かではないが、IOは60インターフェイスと呼んでいたような気がする。その"8"シリーズを捨てて、IBM互換のMシリーズを開発したのだから、失敗すれば富士通は倒産の危機だった。最上位機種にあたるM180は、IBM互換機のためIOとの接続はIBMチャネルインターフェイスだった。富士通・日立連合のMシリーズは、そういう経緯もあってF/Hインターフェイスと呼んだ。中身は、IBMチャネルインターフスを踏襲した富士通・日立による拡張仕様だ。思い出せば、大学入試センターシステムを受注した富士通は、入試本番前の予備テストでトラブルが続出した。新入社員の愚生までもが狩りだされて、調査に当たった。その時、第五CEという部署が保守を担当していた。障害内容から見て、システム関係の開発にまつわるソフトウェア問題で、ハード絡みのエラーではなかった。しかし、担当CE部門は肉弾戦とまでは言わないが、数人でチームを組んで24時間体制の徹夜漬けで対応していた。愚生の先輩も、日曜日に結婚式の式服を着たまま調査していた。調査の合間に、結婚式に出席すると言う。今なら笑ってしまいそうだが、当時は現実にあった話しだ。CEの班長は、問題があれば今徹夜明けで帰った〇〇の家に電話して、すぐに呼び出せと言う。それは酷な話だと思いながらも、電話すると快くすぐに出社するという。電話越しに、赤ん坊の泣き声が聞こえる。愚生は、CE部門に配属されなくてよかったと胸をなで下ろした。また、愚生が若い頃住んだマンションの近くに、かみさんの友人がいた。その亭主は、夕方からいつも出勤すると言っていた。愚生とかみさんは、旦那は夜警の仕事でもしているのかと話していた。それとなく、かみさんが聞いたところ、愚生と同じ富士通のSEだと言う。カスタマ・エンジニア(CE)も大変だが、それとペアを組むSE(システム・エンジニア)も過酷な仕事だった。コンピューターというものは、生き物と同じだ。技術革新を繰り返して生き抜いてくる。しかし、その一方で、たとえ生産・販売を終了した装置についても、客から継続利用の希望があれば、可能な限り安定稼働を保証しなければならない。富士通沼津工場内の池田記念室には、今もFACOM128Bが設置されている。昨年の8月には、FACOM128B は2018年度の"未来技術遺産"に登録された。これは、次世代に継承していく上で重要な意義を持つ資料等の保存をはかることを目的とした国立科学博物館が定める登録制度だという。今から思いしても懐かしい時代だった。沼津工場の食堂から見る駿河湾は、絵に書いたように美しい。工場内の茶畑もきれいに整備されている。そして、沼津工場の芝生に寝そべりながら、振り返れば雄大な富士山が正面に見える。沼津工場に行く機会は、障害やソフトウェア部門との技術打ち合わせが多かった。ゆっくり風景を見ていたのは、沼津工場に休日出張した日曜日だったような気がする。過去を思い出せば美しいが、当時は必死だった。

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2019年2月 1日 (金)

世界シェアはAWSが32%、MSが17%。

Pn11 米アマゾン・ドット・コムが31日に発表した1・四半期売上高見通しは、市場予想を下回った。理由は、インドでの規制上の問題や欧州でインターネット通販売上高の減速だ。引け後の時間外取引で、株価は1.1%下落した。第1・四半期売上高見通しのアナリスト予想は607億7000万ドル。ただ、今期の第4・四半期決算は、純売上高が19.7%増の723億8000万ドルで、市場予想の718億7000万ドルを上回った。好調な年末商戦の売り上げが寄与した。純利益は30億3000万ドル(1株当たり6.04ドル)と、前年同期の18億6000万ドル(同3.75ル)から増加した。基幹となるクラウド事業のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の売上高は45.3%急増の74億3000万ドルで、予想の72億6000万ドルを上回った。愚生は、マイクロソフトのクラウドサービスAzure(アズール76%増収)に押されて伸び悩むかと思っていたが意外だった。一方、米マイクロソフトが30日発表した2018年10~12月期の売上高は前年同期比12%増の324億7100万ドル(約3兆5400億円)だった。基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」の販売減を補ったのはクラウド経由でデータ分析の機能などを提供するサービスだ。米アマゾン・ドット・コムの躍進を恐れる小売業を味方につけ、8割近い伸びだ。パソコンメーカー向けの「ウィンドウズ」の販売が5%減ったが、ネット経由でデータ分析などの機能を提供する「アズール」、クラウド関連事業は軒並み2けたの伸びを維持した。ウィンドウズの会社から、アズールを含む「インテリジェントクラウド」部門の構成比が全体の約3割に達し、サービス会社の顔に変わりつつある。その結果、オフィス365なども含めたサービス業務比率は約5割にのぼる。アズールはこれまで企業が自前で用意していたサーバーをMSがまとめて整備し、データの保管や人工知能(AI)を使う解析機能などとともに提供する。同様のサービスで先頭を走るのは、アマゾンの子会社、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)。2018年7~9月期のクラウドの世界シェアはAWSが32%、MSが17%。まだアマゾンの背中は遠いが急伸しているので将来は楽しみだ。ウィンドウズの売り上げ減少がなければ、もっと株価は評価されてよい気がする。アマゾンやマイクロソフトは、期待が高かっただけに決算発表後の時間外取引で株価は下げた。ところで、自民党国防部会の部会長を努めている山本朋広議員は、レーダー・低空飛行葛藤に関連して韓国を「泥棒」と正直に呼んだ。冒頭発言で「韓国政府は本当にこれ以上嘘をついてはならない」と話し、「嘘つきは泥棒の始まり」という箴言を持ち出した。確かに、韓国は過去にも日本の仏像を盗んで未だに返していない。盗人にも三分の理という。どんなことにでも、屁理屈をつけようと思えばつけられる。まさに、韓国が泥棒と呼ばれる所以だ。山本議員は、「嘘つきが次第に泥棒になるのではなく、今の韓国は泥棒が嘘をついているだけ」とし、「とうてい見るに堪えない状況」と話した。愚生も全く同感だ。

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2019年1月26日 (土)

ビジネスとは、鉄砲を持たない戦争

Vspgaiyo02 先日、ソフトバンクの孫正義と中国アリババ集団の馬雲(ジャック・マー)の出会いを知る機会があった。Amazonやアリババで創出されるeコマースは、既存の流通をネットに置きかえることで利便性と巨大企業を生み出した。しかし、このネット社会は、さらに先に進んでいるという。他社に後れをとるヤフーショッピングは、出店無料化に舵を切った。その即効性は絶大で、発表直後には出店希望者が1日で1万件を超えた。2万店だった出店者数はその後3年間で45万店へと激増した。商品数も3倍に伸びた。しかし、購入者は思ったほどは伸びなかった。愚生もそれを実感する。ヤフーショッピングを利用する場合は、価格以外に興味はない。使いやすさから言えばAmazonやヨドバシドットコムを好む。そこで、孫はアリババ集団創業者のジャック・マーに教えを請う機会に、ヤフーの出店無料化戦略を説明させた。マーからのアドバイスは、重要なのは出店者の幸せ指数だという。まずは出店者がヤフーで商売する利益を実感できないようでは、ユーザーが満足できるサービスを提供できない。そして、アリババが目指すものは、eコマースではなく次のフィンテックだという。ジャック・マーは「eコマースはそのためのガソリンに過ぎない」とも言う。タオバオなどを通じて膨大な個人データを集め、それをフィンテックに活用する。要するに、データを制する者が世界を制するからだ。そして、ジャック・マーはスマホ決済の「支付宝(アリペイ)」などの金融サービスを急速に伸ばしていった。2016年には1日の決済件数がアリペイだけで1億7500万回に達した。利用者の実年齢や購入した商品、店舗名などの情報が毎秒2000件のペースで蓄積された。その後、孫が指名したヤフー社長は、ヤフーはデータの会社になると宣言した。そのための1丁目1番地がモバイル決済だと言う。2018年秋に、楽天Pay やLINE Pay 、ドコモのd払いといったコード決済サービスから後れを取ったが、ヤフーでもQRコード・バーコードによる決済サービスのPayPay(ペイペイ)がスタートした。種種雑多なスマホ決済が提供される日本では、どれが将来本命になるのだろうか。通貨に信頼がある日本では、思ったほど電子マネーは普及していない。未だに、現金決済が主流だ。最近、ポイント還元率から、愚生宅でもスーパーマーケットでの支払いを、やっとクレジットカードにしたばかりだ。愚生が常時使用する電子マネーは、電車やバスの乗り越し清算が便利な「スイカ」くらいだ。JRのビューカードと組み合わせて使うと、自動チャージ機能があるので非常に便利だ。ところで、1999年2月、ジャック・マーは地元杭州に戻って仲間を集めてアリババを起業した。この時の様子は映像に残されており、ジャック・マーの演説は語り草になっている。「闇の中をともに進み叫ぼう。私が雄たけびを上げて突進してもあわてないでくれ。手に刀を持ち、まっすぐに進んでくれ」という義侠団の旗揚げの演説だった。愚生はビジネスとは、鉄砲を持たない戦争だと思う。ジャック・マーとはレベルは違うが、1990年前半に、IBMのSNA系ネットワークにインターネット系Tcp/ipが混入してきたとき、富士通のFNA系のネットワークシステムプリンタの行く末を案じた。仮想プリンタという概念の創出で、乗り切ったことを思い出す。あの頃の一日は充実していた。今の一年より長かったかもしれない。明日の影に怯えながら、先々が見えない基幹系ネットワーク基盤の構築に取り組んでいたことを誇らしく思い出す。思い出せば、「夏草や兵どもが夢の跡」という感がある。

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