基幹システム

2019年9月27日 (金)

トーマス・クックが経営破綻

_1888_cover 英老舗旅行代理店トーマス・クックが経営破綻した。愚生はトーマス・クックというと、思い出深い。それは、今から四十数年前になる学生時代を思いだすからだ。当時、海外旅行が盛んでなかった時代、トーマス・クックのタイムテーブルとユーレイルパスで欧州を旅行した。北はコペンハーゲンから南はジブラルタル海峡近くの都市まで行った。金もない一人旅で、アポイントメント無しの旅行のため、気楽ではあったが必死だった。その旅行では、トーマス・クックのタイムテーブルで列車時刻を調べて移動した。本当に役に立つ時刻表だった。トーマス・クックの創業は、1841年というから歴史がある。500余りの実店舗を構える同社は、変化する旅行習慣に対して驚くほど適応力がなかったという。時代遅れなビジネスモデルだったため、英政府は同社を救済する措置を拒否した。その代わり、同社を利用して海外旅行中の英国人約15万人を帰国させる費用は、政府が負担する。英国が合意なしでEUを離脱し、破綻する企業が出た場合にも、モラル・ハザードを伴うような企業の救済をおいそれと行うことはないようだ。同社は2011年以降、経営難にあえいでいた。民泊仲介サイトを運営する革新的企業や、格安航空会社が台頭し、そこにポンド安と2016~2018年夏の猛暑が重なってとどめを刺されたという。そのせいで、ジョンソン英首相は、海外旅行者の帰国費用は負担しても、200億円拠出してトーマス・クックの経営破綻を救済することはしなかった。この破産で、トーマス・クックの筆頭株主である中国の復星旅遊文化集団などの株主は、出資金が紙屑になった。債権者も軽い損失では済まないだろう。世の中が変わる中で、生き残るのは容易でない。1960年代「IBMと7人の小人」と称した「UNIVAC、バローズ、Scientific Data Systems (SDS)、CDC、GE、RCA、ハネウェル」の中で、現在もコンピューター部門が生き残っているのは、バローズとUNIVACが合併したユニシスくらいだ。愚生がF社に入社した1970年代は、「IBMと7人の小人」と呼ばれるメインフレーム市場の戦いで決着がついた頃だった。IBMの市場シェアが70%を超え、他社のシェアがあまりにも小さかった。その後、小人5社は、撤退・売却・倒産の憂き目にあった。日の丸コンピューター企業と呼ばれたF社などは、小人にも数えられずに蟻が巨象に挑むような戦いだった。F社では、IBM製品を次々に買いあさって評価していたため、コンピュータールームで容易に見ることができた。物まねというが、当時のF社にはIBM製品をまねる技術すらなかった。愚生のような大学出たての、右も左もわからない新人まで駆り出して設計していた。当時を知る愚生には、あのブルーの横縞の入ったIBMロゴに畏敬の念を持つ。あの美しかったIBMも、GAFAやMANTのような新興企業に押され古惚けてきた。

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2019年7月14日 (日)

キャッシュレス決済の業者が乱立

Pn12_20190714081601 セブン&アイHDが、スマートフォン決済サービス「セブン・ペイ」の提供を始めたのは7月1日からだ。そして、3日に早くも不正利用が発覚した。そのため、まずは3日に高額なチャージができるクレジットカードとデビットカードによるチャージを停止した。翌4日には、現金など全てのチャージを停止し、新規登録もできなくした。そして、5日にはセキュリティー対策強化のための組織を発足させた。その後、セブン&アイHDはセキュリティーに効果があるとされる「2段階認証」の導入や、1日当たり30万円だったチャージの上限額の見直しなどを表明した。さらに、11日にはフェイスブックやツイッターなど「外部ID」によるログインも停止した。愚生もペイペイを使っているが、今までこの手の問題は起きていない。ペイペイは、中国のアリペイとも連携しているため、ファミマ、ローソン、セブンイレブンで利用可能だ。そのため愚生は、あえて問題を起こしているブン・ペイを使う気にはない。ここ一連の、セブン&アイHDは今後のセブン・ペイについて、まずは今月中にセキュリティー対策の具体的な施策を取りまとめ、サービス再開についてはその後検討すると言う。しかし、愚生はセブン・ペイを一旦停止して、設計思想を含めて一から見直したらどうかと思う。何故なら、オンラインで稼働しながらのセキュリティー対策のバージョンアップは容易ではない。どう考えても、対策後にテストプログラムを流してシステム評価などをすれば、最低3カ月程度は必要だ。実際、場当たり的に対策をするより、急がば回れでじっくり取り組む方が解決は速い場合が多い。セブン・ペイは、ペイペイのような稼働実績のあるシステムを導入しているわけではないから、なおさら安定稼働を不安視したくなる。特に愚生が気になったのは、当初は本人確認のための「2段階認証」を導入していないという。こういう仕様に、なぜしたのかという設計思想が問題だ。セキュリティーに対する認識の甘さが指摘されてもしょうがない。10月には、消費税率引き上げに合わせた政府によるキャッシュレス決済へのポイント還元事業が始まる。それに合わせて、遅ればせながらセブン&アイHDはセブン・ペイを導入したのだろう。いずれにしろ、今後の焦点となるのがセブン&アイHD側の再発防止策だ。不正利用の経緯や原因の究明など、この問題の全容を把握できているのだろうか。金融庁は、顧客保護に向けた再発防止策が十分かなどについて精査を進めるという。今後、セブン・ペイだけでなく、同様の決済サービスを扱う他社でもセキュリティーの問題が出てくる可能性はある。クレジットカードや電子マネーなども含むと、キャッシュレス決済の手段は数え切れない。愚生には業者が乱立ぎみで、どれが良い決済システムなのかわからない。今回のスマートフォン決済をめぐる相次ぐ不正利用の発覚で、キャッシュレス決済事業者の急拡大による安全面のリスクが浮き彫りになった。SuicaとPASMOのように、いずれは統合して頂きたいものだ。

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2019年3月27日 (水)

先人の屍を踏み越えての戦いだった

000pn12 先月、富士通は希望退職費用として461億円を20193月期に計上すると発表した。国内の間接部門に所属する2850人の希望退職だ。肩たたきで応募者する退職金費用だろう。愚生の想像だが、若い人は職場転換が可能だ。しかし、老人は無理だ。本人も受け入れ先も困難だ。社内に活躍の場がない社員は社外への転進を支援するというが、対象は間接部門や支援部門に所属する45歳以上の正社員と定年後再雇用社員とある。一番のターゲットは、役職定年を迎えて「スタッフ」として残っている旧管理職だろう。5000人というが、応募したのはこのクラスと定年を控えた年配の社員だ。一人当たりで逆算すれば1617万円だ。50歳以上ばかりであれば、平均で約40ヶ月前後の積み増し退職金だ。会社に居ても経費が掛かる旧管理職のスタッフ老人などは富士通には不要だろう。田中社長は、富士通も大企業病だというが当たり前だ。彼が就任1年目の2015年に掲げた「営業利益率10%」「海外売上比率50%」という経営目標を聞いたとき、馬鹿も休み休み言えと思った。こういう、いい加減なできもしない目標を持つのは大企業病に他ならない。実績は期待に程遠い結果だった。その原因は、取り組んできた事業強化策がうまく進まなかった。不採算部門や利益率の低い事業の売却は馬鹿でもできる。パソコン出身の前任者の山本社長は、馬鹿以下だったが・・・。それよりは少しマシだったが、伸長を期待した部門が育たなかった。これができないことは、何もしなかったという評価が順当だ。経費削減なら会計士の事務屋で十分だ。海外で伸ばすために田中氏を社長にしたはずだ。当初は「海外事業の拡大こそが私に期待されている」と言っていた。ところが、社長就任の4カ月後、田中社長は経営方針の転換を発表した。システム構築やソフトウエア、ITインフラ機器を手掛ける「テクノロジーソリューション」事業に経営資源を集中するという内容だ。これは当たり前のことだ。それまでの山本前社長が携帯電話やパソコンの「ユビキタスソリューション」事業、電子部品や半導体の「デバイスソリューション」事業を含む3本柱で進めてきた。そもそも、携帯やパソコンで将来が描けるとでも思ったのだろうか。前社長の馬鹿さ加減は、嘲笑に値する。しかし、今回の経営方針は思うように進まなかった。経営方針の公表からちょうど3年後の201810月、田中社長は営業利益率10%の達成を目指す時期を2022年度に先送り、併せて海外売上比率50%の目標を取り下げた。利益率が低いユビキタスやデバイスの事業を切り離し、国内のシステム構築サービスなどの利益率が高い事業に集中すれば、営業利益率が10%に向上すると思ったようだ。ところが、この分野に素人で、コンピューターを知らない田中社長には無理だった。素人は他人の芝は青く見えるが、なぜ青くなるかを知らない。グローバル展開と言っても、投資に対するリターンは期待に程遠かったことが実績だ。海外などの欧州や米国で、これまでどのくらい富士通が失敗してきたかを知っていれば容易に理解したはずだ。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるという発想では、上手くいくはずはない。富士通の商品など、容易に海外顧客へインテグレーションできるはずはない。IBMやアクセンチュア、セールスフォースドットコム、オラクルのように圧倒的な差別化技術が必要だ。そして、コンピューターは英語文化の上に成り立つ。だから、日本の顔を見せた途端に売れない。更に、英語圏でもない極東の文化など世界に通用しない。世界の流れを国内で先取りするか、せいぜい、漢字圏あたりを抑えることが精いっぱいだ。それは少しコンピューターが分かっていれば理解できる。悲しいかな田中社長には、その知識がなかったようだ。「富士通には自分が持っているものから考えてしまう大企業病がある。」と反省の弁があるが、自分の持っていない物では戦えない。愚生が開発部長をしていた頃の部の標語は「馬鹿な営業でも説明なしで売れる製品」の開発だった。昔を思い出すと何か熱くなってくる。愚生の時代も、先人の屍を踏み越えての戦いだったことを思い出す。

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2019年2月13日 (水)

FACOM128B が未来技術遺産に登録

20181221_01_index_pic_4 富士通ジャーナルに、世界最古級のコンピューターが、今も富士通沼津工場内で動くと言う記事があった。それは、1959年製のリレー式計算機FACOM128Bだ。そして、今もカスタマ・エンジニア(CE)により保守稼働を実現している。この記事のH氏は入社してカスタマ・エンジニア(CE)に配属された。H氏は「私が入社した1978年には、富士通がMシリーズというメインフレームの計算機(大型コンピュータ)を造り、IBMがSystem/370シリーズという計算機を出し始めていました。その頃からソフトウェアを開発するSE(システム・エンジニア)と、ハードウェアをインストールした後も定期的なメンテナンスを行い、動かなくなった時に直すCE(カスタマ・エンジニア)という二種類のエンジニアが必要とされるようになり、SEとCEがペアで活動していた。」という。こう聞くと古い話のようだが、F社では愚生より入社も歳も後輩になる。当時を思い出せば、愚生の部門はメインフレームに接続するIO機器の開発だった。富士通には、1973年に発表した仮想記憶方式を採用したFACOM230 "8"シリーズという独自コンピューターがあった。"8"シリーズは、従来の"5"シリーズのソフトウェア互換を実現していた。記憶は定かではないが、IOは60インターフェイスと呼んでいたような気がする。その"8"シリーズを捨てて、IBM互換のMシリーズを開発したのだから、失敗すれば富士通は倒産の危機だった。最上位機種にあたるM180は、IBM互換機のためIOとの接続はIBMチャネルインターフェイスだった。富士通・日立連合のMシリーズは、そういう経緯もあってF/Hインターフェイスと呼んだ。中身は、IBMチャネルインターフスを踏襲した富士通・日立による拡張仕様だ。思い出せば、大学入試センターシステムを受注した富士通は、入試本番前の予備テストでトラブルが続出した。新入社員の愚生までもが狩りだされて、調査に当たった。その時、第五CEという部署が保守を担当していた。障害内容から見て、システム関係の開発にまつわるソフトウェア問題で、ハード絡みのエラーではなかった。しかし、担当CE部門は肉弾戦とまでは言わないが、数人でチームを組んで24時間体制の徹夜漬けで対応していた。愚生の先輩も、日曜日に結婚式の式服を着たまま調査していた。調査の合間に、結婚式に出席すると言う。今なら笑ってしまいそうだが、当時は現実にあった話しだ。CEの班長は、問題があれば今徹夜明けで帰った〇〇の家に電話して、すぐに呼び出せと言う。それは酷な話だと思いながらも、電話すると快くすぐに出社するという。電話越しに、赤ん坊の泣き声が聞こえる。愚生は、CE部門に配属されなくてよかったと胸をなで下ろした。また、愚生が若い頃住んだマンションの近くに、かみさんの友人がいた。その亭主は、夕方からいつも出勤すると言っていた。愚生とかみさんは、旦那は夜警の仕事でもしているのかと話していた。それとなく、かみさんが聞いたところ、愚生と同じ富士通のSEだと言う。カスタマ・エンジニア(CE)も大変だが、それとペアを組むSE(システム・エンジニア)も過酷な仕事だった。コンピューターというものは、生き物と同じだ。技術革新を繰り返して生き抜いてくる。しかし、その一方で、たとえ生産・販売を終了した装置についても、客から継続利用の希望があれば、可能な限り安定稼働を保証しなければならない。富士通沼津工場内の池田記念室には、今もFACOM128Bが設置されている。昨年の8月には、FACOM128B は2018年度の"未来技術遺産"に登録された。これは、次世代に継承していく上で重要な意義を持つ資料等の保存をはかることを目的とした国立科学博物館が定める登録制度だという。今から思いしても懐かしい時代だった。沼津工場の食堂から見る駿河湾は、絵に書いたように美しい。工場内の茶畑もきれいに整備されている。そして、沼津工場の芝生に寝そべりながら、振り返れば雄大な富士山が正面に見える。沼津工場に行く機会は、障害やソフトウェア部門との技術打ち合わせが多かった。ゆっくり風景を見ていたのは、沼津工場に休日出張した日曜日だったような気がする。過去を思い出せば美しいが、当時は必死だった。

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2019年2月 1日 (金)

世界シェアはAWSが32%、MSが17%。

Pn11 米アマゾン・ドット・コムが31日に発表した1・四半期売上高見通しは、市場予想を下回った。理由は、インドでの規制上の問題や欧州でインターネット通販売上高の減速だ。引け後の時間外取引で、株価は1.1%下落した。第1・四半期売上高見通しのアナリスト予想は607億7000万ドル。ただ、今期の第4・四半期決算は、純売上高が19.7%増の723億8000万ドルで、市場予想の718億7000万ドルを上回った。好調な年末商戦の売り上げが寄与した。純利益は30億3000万ドル(1株当たり6.04ドル)と、前年同期の18億6000万ドル(同3.75ル)から増加した。基幹となるクラウド事業のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の売上高は45.3%急増の74億3000万ドルで、予想の72億6000万ドルを上回った。愚生は、マイクロソフトのクラウドサービスAzure(アズール76%増収)に押されて伸び悩むかと思っていたが意外だった。一方、米マイクロソフトが30日発表した2018年10~12月期の売上高は前年同期比12%増の324億7100万ドル(約3兆5400億円)だった。基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」の販売減を補ったのはクラウド経由でデータ分析の機能などを提供するサービスだ。米アマゾン・ドット・コムの躍進を恐れる小売業を味方につけ、8割近い伸びだ。パソコンメーカー向けの「ウィンドウズ」の販売が5%減ったが、ネット経由でデータ分析などの機能を提供する「アズール」、クラウド関連事業は軒並み2けたの伸びを維持した。ウィンドウズの会社から、アズールを含む「インテリジェントクラウド」部門の構成比が全体の約3割に達し、サービス会社の顔に変わりつつある。その結果、オフィス365なども含めたサービス業務比率は約5割にのぼる。アズールはこれまで企業が自前で用意していたサーバーをMSがまとめて整備し、データの保管や人工知能(AI)を使う解析機能などとともに提供する。同様のサービスで先頭を走るのは、アマゾンの子会社、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)。2018年7~9月期のクラウドの世界シェアはAWSが32%、MSが17%。まだアマゾンの背中は遠いが急伸しているので将来は楽しみだ。ウィンドウズの売り上げ減少がなければ、もっと株価は評価されてよい気がする。アマゾンやマイクロソフトは、期待が高かっただけに決算発表後の時間外取引で株価は下げた。ところで、自民党国防部会の部会長を努めている山本朋広議員は、レーダー・低空飛行葛藤に関連して韓国を「泥棒」と正直に呼んだ。冒頭発言で「韓国政府は本当にこれ以上嘘をついてはならない」と話し、「嘘つきは泥棒の始まり」という箴言を持ち出した。確かに、韓国は過去にも日本の仏像を盗んで未だに返していない。盗人にも三分の理という。どんなことにでも、屁理屈をつけようと思えばつけられる。まさに、韓国が泥棒と呼ばれる所以だ。山本議員は、「嘘つきが次第に泥棒になるのではなく、今の韓国は泥棒が嘘をついているだけ」とし、「とうてい見るに堪えない状況」と話した。愚生も全く同感だ。

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2019年1月26日 (土)

ビジネスとは、鉄砲を持たない戦争

Vspgaiyo02 先日、ソフトバンクの孫正義と中国アリババ集団の馬雲(ジャック・マー)の出会いを知る機会があった。Amazonやアリババで創出されるeコマースは、既存の流通をネットに置きかえることで利便性と巨大企業を生み出した。しかし、このネット社会は、さらに先に進んでいるという。他社に後れをとるヤフーショッピングは、出店無料化に舵を切った。その即効性は絶大で、発表直後には出店希望者が1日で1万件を超えた。2万店だった出店者数はその後3年間で45万店へと激増した。商品数も3倍に伸びた。しかし、購入者は思ったほどは伸びなかった。愚生もそれを実感する。ヤフーショッピングを利用する場合は、価格以外に興味はない。使いやすさから言えばAmazonやヨドバシドットコムを好む。そこで、孫はアリババ集団創業者のジャック・マーに教えを請う機会に、ヤフーの出店無料化戦略を説明させた。マーからのアドバイスは、重要なのは出店者の幸せ指数だという。まずは出店者がヤフーで商売する利益を実感できないようでは、ユーザーが満足できるサービスを提供できない。そして、アリババが目指すものは、eコマースではなく次のフィンテックだという。ジャック・マーは「eコマースはそのためのガソリンに過ぎない」とも言う。タオバオなどを通じて膨大な個人データを集め、それをフィンテックに活用する。要するに、データを制する者が世界を制するからだ。そして、ジャック・マーはスマホ決済の「支付宝(アリペイ)」などの金融サービスを急速に伸ばしていった。2016年には1日の決済件数がアリペイだけで1億7500万回に達した。利用者の実年齢や購入した商品、店舗名などの情報が毎秒2000件のペースで蓄積された。その後、孫が指名したヤフー社長は、ヤフーはデータの会社になると宣言した。そのための1丁目1番地がモバイル決済だと言う。2018年秋に、楽天Pay やLINE Pay 、ドコモのd払いといったコード決済サービスから後れを取ったが、ヤフーでもQRコード・バーコードによる決済サービスのPayPay(ペイペイ)がスタートした。種種雑多なスマホ決済が提供される日本では、どれが将来本命になるのだろうか。通貨に信頼がある日本では、思ったほど電子マネーは普及していない。未だに、現金決済が主流だ。最近、ポイント還元率から、愚生宅でもスーパーマーケットでの支払いを、やっとクレジットカードにしたばかりだ。愚生が常時使用する電子マネーは、電車やバスの乗り越し清算が便利な「スイカ」くらいだ。JRのビューカードと組み合わせて使うと、自動チャージ機能があるので非常に便利だ。ところで、1999年2月、ジャック・マーは地元杭州に戻って仲間を集めてアリババを起業した。この時の様子は映像に残されており、ジャック・マーの演説は語り草になっている。「闇の中をともに進み叫ぼう。私が雄たけびを上げて突進してもあわてないでくれ。手に刀を持ち、まっすぐに進んでくれ」という義侠団の旗揚げの演説だった。愚生はビジネスとは、鉄砲を持たない戦争だと思う。ジャック・マーとはレベルは違うが、1990年前半に、IBMのSNA系ネットワークにインターネット系Tcp/ipが混入してきたとき、富士通のFNA系のネットワークシステムプリンタの行く末を案じた。仮想プリンタという概念の創出で、乗り切ったことを思い出す。あの頃の一日は充実していた。今の一年より長かったかもしれない。明日の影に怯えながら、先々が見えない基幹系ネットワーク基盤の構築に取り組んでいたことを誇らしく思い出す。思い出せば、「夏草や兵どもが夢の跡」という感がある。

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2019年1月 4日 (金)

アップルの今後はバラ色とはいいがたい。

Mig ウォーレン・バフェット氏が投資するアップル株は、昨年10月から時価総額を3500億ドル(約37兆6800億円)余り減らした。さらに。2日の時間外取引で急落し、同氏のテクノロジー企業投資は悪くなる一方だ。バフェット氏はこれまで、テクノロジー企業には投資しないことで知られていた。同業界について十分に内容を理解していないとの理由だった。しかし、その禁を破って2011年に100億ドル余りをIBMに投じたが、1年ほど前に失敗だと判断して完全撤退した。バフェット氏は昨年9月末時点でアップル株全体の5%余りに相当する約2億5200万株を保有していた。この投資も今回の株価の下げで投資効果が危ぶまれる。なぜなら、アップルは2018年10-12月の売上高予想を引き下げ、株価は大きく下げた。売上高予想の引き下げは、中国の需要減が予想以上だったほか、iPhoneユーザーによる買い替えが低調だったことが影響した。当然、バフェット氏が保有するアップル株の価値は下げたが、保有株の大半はより低い価格で取得しているため、全体としては依然含み益が出ているという。これは全てトランプの対中貿易戦争が引き起こした結果だろう。愚生の業界予想など、あてにはならないだろう。ただ、愚生はコンピューターエンジニアとして、ハード・ソフト・システムのトータル的な知見がある。それを前提として言わせてもらえば、アップルよりマイクロソフト株を推奨する。なぜかと言えば、マイクロソフトのWindowsは、端末OSソフトのように思っている人が多い。しかし、実態はWindowsNT3.51として再設計されて販売した時からは基幹系OSだ。DECのVAX設計者をマイクロソフトが引き抜いて開発したものだ。比較としては、IBM-AS/400のOSが相応しい。要するに、端末OSとして使用する環境では、Windows機能の90%が使用されていないに等しい。一方、アップルのiOSは、あくまで端末機器のOSソフトだ。基幹系OSのWindowsと同列に比較できない。そして、OSの中身は非公開でブラックボックスになっている。そう考えれば、クラウド構築のデータセンターにWindowsは最適なOSの一つだ。少なくとも、マイクロソフトが自社用サーバーとしてWindowsを使用するなら無償だ。無償で安いからと言ってLINUX-OSで構築する必要はない。そして、いくらLINUX-OSを基本に構築しても、インターネットやストレージはともかく、Windowsサーバーは必ずどこかで必要になる。それだから、クラウドシステムの成長は、マイクロソフトの強みとなるはずだ。それが、今後もマイクロソフトの株価を押し上げるだろう。これまで、販売が好調だったiPhoneの売り上げはそろそろ成熟して伸びが鈍化してきた。そう考えると、アップルの今後はすべてバラ色とはいいがたい。

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2018年10月18日 (木)

事業戦略のない研究開発は容易でない

Photo 蓮舫が事業仕分けで「1位にならなければいけないのか?」と馬鹿な質問をして、日本のスーパーコンピューター(スパコン)「京」を無駄遣いだとやり玉に挙げた。次世代スパコンの計算能力は1秒間に100京回の規模だといわれる。2014年に始動した新プロジェクトは、理化学研究所を主体に富士通が協力する形だ。前回も、富士通との随意契約はけしからんと発言する批評家もいた。彼らは、半導体の業界やビジネスの実態を何も知らないで無秩序な批判をする。これでは、少し頭の弱い蓮舫と何ら変わらない。ポスト京の計画は、ソフトバンクが買収した半導体設計会社、英アーム・ホールディングスの設計思想を採用する。前回、京の開発を担当した富士通は、米サン・マイクロシステムズのSPARCを採用した。そして、富士通は「京」のCPUをSPARC64TM IXfxとした市販モデルを、国内・海外に販売して開発資金を回収した。しかし、ビジネスとして思うような成果がでたのだろうか。儲かったというより、事業としては赤字だったのではないだろうか?実際に、日立やNECは撤退して、富士通だけが残って参加した。2020年~2022年にかけては、米国や中国でもスパコンの開発計画がある。コンピューターの性能は、CPU単体で計算性能が高いだけでは上がらない。システム全体の計算速度は、メモリーとデータをやりとりする速度などにも大きく影響する。理研や富士通が狙っている性能は、単なる速度的な性能ではなくシステム全体としての高速稼働だ。今後の開発計画にもよるが、理研と富士通は2011年に1位になった京以来、久々のトップへの返り咲きを狙っているのだろう。スパコン開発で技術力の向上に寄与するのが一番だ。しかし、研究開発費が回収できなければ事業として成り立たない。IPS細胞でも、研究費の捻出に苦労していると聞く。親方日の丸でなくなった今日、事業戦略のない研究開発は、維持・継続が容易でない時代となった。

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2018年10月17日 (水)

未だにIBM信仰がある

Images 16日は、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの決算が市場予想を上回ったことを受け、米国株が大幅反発した。S&P500種株価指数は半年余りで最大の上げとなった。S&P500は前日比2.2%高の2809.92。ダウ平均は547.87ドル(2.2%)上げて25798.42ドル。ナスダック総合指数は2.9%上昇。また、通常取引終了後に発表された米動画配信大手ネットフリックスの決算では、第3四半期決算は、契約者数の伸びが市場予想を上回った。市場引け後の時間外取引で、ネットフリックスの株価は13.5%と急伸した。米国の契約者数の伸びは109万人と、アナリスト予想の約67万4000人を大きく上回った。海外の契約者数も587万人増と、アナリスト予想の448万人増を上回った。予想より上回った原因は、アナリストが考える以上にネットワークインフラ基盤が進んだからだろう。一方、同日発表された米IBMの第3四半期の売上高はアナリスト予想に届かなかった。クラウドや人工知能(AI)といった新しい事業で成長を押し上げる戦略が上手くいっていないようだ。売上高は2.1%減の188億ドル(約2兆1100億円)となり、アナリスト予想の191億ドルを下回った。クラウド分野の売上高は10%増えて45億ドルとなったが、第2四半期の20%の伸びに比べると鈍化した。従来の大型コンピューターで一世を風靡したIBMも西日が強い昨今だ。愚生がF社に入社した1970年代は、「IBMと7人の小人」と呼ばれる世界だった。IBMと小人「バロース 、UNIVAC、NCR、CDC、ハネウェル、およびRCAとGEの7社」がメインフレーム市場で競って決着がついた頃だった。IBMの市場シェアが70%を超え、他社のシェアがあまりにも小さかった。日の丸コンピューター企業と呼ばれたF社などは、小人にも数えられずに蟻が巨象に挑むような戦いだった。F社では、IBM製品を次々に買いあさって評価していたため、コンピュータールームで容易に見ることができた。物まねというが、当時のF社にはIBM製品をまねる技術すらなかった。愚生のような大学出たての、右も左もわからない新人まで駆り出して設計していた。鉄の甲冑をつけた兵士に、子供が竹槍で挑むようなものだった。IBMのロジック回路図を見れば、素晴らしいく頭の切れる人材が設計したことがくみ取れた。当時を知る愚生には、未だにIBM信仰がある。あのブルーの横縞の入ったロゴに畏敬の念を持つ。あの美しかったIBMも、積もる年月には勝てなくなってきたようだ。そう思うと、青臭い頃に心をざわつかせた女性のことが気になった。

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2018年10月12日 (金)

東京証券取引所でシステム障害

2  米国株の続落は、2月以降で株式相場を最悪にした。トランプ米大統領はこの下落は、FRBの責任だと非難する。ただし、FRBパウエル議長を解任する考えはないと述べた。これまでの大統領と違い、トランプ大統領は不動産屋だからビジネスには明るい。だから、金融政策についてはFRB上層部より自分の方が分かっていると思っている。トランプが「利上げは必要ないというのが私の意見だ。私の方が彼らよりこの点を分かっていると思う」というのもあながち嘘ではない。ただ、愚生のように株式投資をしている者は、今回の株式相場の急落は「調整であり、FRBによって引き起こされた」という大統領の主張を信じたい気だ。ところで、米国株が下がれば、伝染病のように日本株も大幅下落した。おまけに、日本株の売買インフラを担う東京証券取引所でシステム障害を起こした。この原因は、「メリルリンチ日本証券からの通常の1000倍を超える電文送信だった」という。背景を探ると、海外の超高速取引業者の存在と脆弱な管理体制が問題として浮かび上がる。ログインや取引をする時に、システム間でデータをやり取りする。顧客と証券会社間、証券会社と東証間で取引開始時に毎朝発生する。これ自体は通常業務だ。しかし、なぜ、証券会社の発注システムと東証の取引サーバーをつなぐ回線に、1000倍もの電文が流れ込んだのかということは別問題だ。超高速取引業者(HFT)はコンピューターを駆使し過去の値動きを統計的に分析する。そして、1秒に数百万回の高頻度売買を行う。HFTがシステムにログインしようとしたところ、何らかの原因でシステムに入れなかった。これが引き金となりログイン動作が繰り返された。東証にとって落とし穴だったのは、それが売買注文でなくログインという業務データだったことだ。過去の誤発注やシステム障害などを経て、注文データに関しては証券会社側も東証側もシステムを守るプログラムは強固になっている。だが今回のような注文に関係ないデータの大量送信は想定外だった。これが原因となり東証と証券会社をつなぐ4つの回線の1つで障害が発生した。回線はまだ3回線ある東証は楽観視していた。しかし、証券会社側で頻発した「切り替え不能」の事態には予想していなかった。従来、バックアップのため、東証は証券会社に対し4回線中最低2回線との接続を義務付けている。問題発生時後、東証は証券会社に回線の切り替えを要請した。切り替えられたネット証券や外資系証券は問題が起きなかった。一方、障害が起きた野村、SMBC日興、みずほ、三菱UFJモルガン・スタンレーなどの大手証券は、東証の切り替え要請が出た前後は既に顧客注文が入り始めていた。この時点で、注文が流れる回線の切り替えは不可能だった。トレードシステムなどは、証券会社は大手システムベンダーに設計を丸投げしている。緊急時に対応できるシステムスタッフは、証券会社内にはいない。今後、人工知能(AI)やアルゴリズムが進化する時代は、東証が想定しない投資家行動が増える。東証の障害は復旧したが、投資家が本来意図した取引ができず損失を被った可能性は残る。証券会社は自社のミスと認める場合、「過誤訂正」の手続きをとり顧客に補償する必要がある。いち早く被害把握を終えたSMBC日興証券の場合、今回の障害での処理訂正件数は25000件に上るという。証券会社側には、今回の非はない。負担を被る証券会社の対応次第では、東証と要因をつくったメリルリンチ日本証券との係争に発展する可能性もある。以前、ジェーコムの誤発注事件で、20億円儲けた個人もいた。今回の事件で、棚ぼたで儲けた人がいるのだろうか。下種の勘ぐりをしたくなる。

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