基幹システム

2020年10月 2日 (金)

東証はシステムが終日停止

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昨日の東京証券取引所の取引は、終日停止であった。ディスク内のメモリーが故障した後、バックアップ用のディスクへの切り替えがうまくいかなかったことが原因だという。2012年にも、同様のシステム障害が起きたが、前回はメモリーではなくサーバー障害だった。しかし、外部からは同じ要因が繰り返されたように見える。東証は2010年に高速取引システム「アローヘッド」を導入した。仕様は1トランザクション/1㎳という高速取引だった。当時は、IBMと富士通の競争となった。しかし、IBMはその仕様を満満たせないためず富士通が受注した。古い話をすれば、東証は日立製作所と富士通の二社体制でシステムを稼働していた。しかし、日立の障害対応が悪いことで、富士通に一本化された経緯がある。基幹システムは、速さも需要だが、安定性と信頼性が最も重視される。今回、故障した機器はわかっていたため、ディスクを交換してシステムを手動で再起動をすれば売買再開は可能だった。しかし、証券会社からの注文を受け付けていたため、再起動した場合に未処理の注文がリセットされてしまう。そのことを踏まえれば、「大引け」まで停止して注文を失効させた方が混乱は少ない。その方針で障害対応したため、終日停止となった。原因の究明はこれからだが、故障したディスクやメモリーは富士通製となれば、富士通の責任は免れない。ハードの故障自体は、想定内だろうがバックアップシステムが正常に作動しなかったことは大問題だ。アローヘッドは約350台のサーバーで構成する大規模システムだというから、単純な切り替え検証だけでは障害原因は見つからないだろう。今回の装置は、アローヘッドを刷新した2019年11月に導入したものだ。テストでは正常に切り替えができていたといっても、実働ベースのトランザクション負荷はかけていなかっただろう。愚生も入社したての頃、大学センター試験のシステムを富士通が受注した。センター試験の前だというのに、障害が起こり休日も全員駆り出された。愚生の先輩など、結婚式場から直帰して、式服のままで障害調査をしていた。保守部門などは、徹夜で開発部隊をサポートしていた。サポート部隊からは、要員が必要なら徹夜明けの某担当に電話しろと命だった。寝ていると思い気が引けたが、電話すると子供の泣き声が聞こえた。愚生はつくづく「泣く子も黙るF社」に入ったと実感した。しかし、長年勤めると慣れてしまうのだろう。部下だった中途入社の某君に印象を聞くと、富士通は暗いという。愚生は「長年F社にいると暗さに目が慣れてしまうのかもしれない」と答えたのを思い出す。障害対応は大変だろうが、頑張って頂きたい。

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2020年9月27日 (日)

掛声だけのデジタル庁では?

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最近、盛んにデジタル行政の一本化の目玉としてデジタル庁の創設が叫ばれている。菅首相は、マイナンバーカードなどデジタル政策に関して、強力に進める体制を構築するという。今、行政や民間の間でデジタル化の必要性は分かるが、過去の失敗は何だったのだろうか。
思いだせば、過去に住基ネットというものがあった。住基ネットは、正式名称を「住民基本台帳ネットワークシステム」と言う。市区町村の住民基本台帳に記録されている者に11桁の住民票コードを割り当てた。それにより、氏名、生年月日、性別、住所などが記載された住民基本台帳をネットワーク化し、全国共通で本人確認ができるようになった。しかし、これはマイナンバーと大きく違う点は、行政機関間での情報連携を目指したものではなく、あくまでも自治体の事務における個人情報の効率化を目指していた。ただし、マイナンバー制度の個人番号は、住民票コードを変換して生成される。つまり、住民票コードは住基ネットのシステムによって付番されているから、住基ネットがなければ、個人番号は付番されない。そう考えれば、個人番号を付けるという点から住基ネットは、マイナンバー制度にとって必要不可欠なものなのだろう。愚生の老婆心なのだが、住基ネットでも同姓同名や数十万もある戸籍漢字コードの割り当てが問題になった。結局、各市町村で作成された名前をコードで統一することは不可能なため、漢字をイメージで出力して転送する方式が取られた。これは、住民票を他市町村で出力する場合は、データベースは各自治体が管理していながらデータ送出することだ。要するに、自治体のデータベースは各々別々な形式で管理されている。運転免許証でも警察庁が一括管理している。年金台帳は旧社保庁、そして国民健康保険は各自治体の市町村だろう。データベースをマイナンバーカードに紐づけする作業や検証することは大変そうだ。金融機関の銀行口座や証券口座、確定申告の番号は既に紐づけはされている。新規の紐づけは、運転免許証の更新を考えれば、最低5年以上は必要だろう。各省庁にある国民のデータベース一元管理の紐づけには、数多くの手続きがあるだろう。掛け声だけで、5%しか普及しなかった住基カードのようにならなければよいが。官公庁は、未だに決済にハンコを使用しているという。そして、FAXでやり取りしているというから先が思いやられる。データベース統合の前に、民間企業のように人事や給料、稟議のコンピューターシステムによる決済処理などの方が先ではないか。

 

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2020年7月21日 (火)

IBMクラウド関連事業は30%増

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米IBMが20日に発表した第2・四半期決算は、減収減益となったものの、売上高と調整後の1株利益が予想を上回った。利益率の高いクラウドコンピューティング事業が堅調だったことが貢献した。決算発表を受け、株価は時間外取引で約6%(日本時間21日午前8時現在4.39%)上昇している。売上高は181億2千万ドルと5.4%減少したものの、アナリスト予想の177億2千万ドルは上回った。利益は13億6千万ドル(1株当り1.52ドル)と、前年同期の25億ドル(同2.81ドル)から減少した。ただ、特別項目を除いた1株利益は2.18ドルと、予想の2.07ドルを上回った。部門別では、昨年買収したソフトウエアのレッドハットを含むクラウド&コグニティブ・ソフトウエアが3%増、メインフレーム(汎用コンピュータ)を含むシステムが6%増だった。複数の部門にまたがるクラウド関連事業の収入は30%増の63億ドルと好調だった。一方、企業のIT導入を支援するコンサルティングサービスなどを含む部門は振るわなかった。どうも、コンサルティングで身を立てるという方針がクラウドへの移行で上手くいっていないようだ。地域別では、西欧とアジア太平洋で6月に顧客の支出が増加した。ところで、愚生はIBMという青地にIBMという横縞ロゴに畏敬の念がある。愚生がF社に入社した頃は、コンピュータ業界は白雪姫と7人の小人に例えられた「IBMと7人の小人」と言われる時代だった。その成功をもたらしたIBM System/360は、IBMをメインフレームの巨人へと押し上げた。1967年頃の大型コンピュータにおける米国メーカーの出荷高の7割以上をIBM が占めた。そして、他社を圧倒してメインフレーム市場をほぼ独占した。7人の小人と呼ばれる他の7社は、UNIVAC、Honeywell、GE、CDC、RCA、NCR、バロースで、数%ずつのシェアを分け合った。そういうわけで、F社とIBMとの戦いは、巨像に身の程知らない蟻が挑むようなものだった。F社内には、IBMのメインフレームや周辺機器が所狭しに並んでいた。どれも洗練された素晴らしいとしかいいようのない製品だった。愚生の目には、無謀な戦いにしか映らなかった。入社したての愚生は、IBMの英文ドキュメントを読み、IBMの保守マニュアルにある英文の回路図を調べた。どれも完成度が素晴らしく感激したものだ。正に、長宗我部元親の一領具足の技術者ばかりで、豊臣秀長の四国征伐軍10万に挑むようなものだった。ただ、日本は極東の漢字文化だったことが幸いし、欧州のメーカーより多少時間のゆとりがあった。その間隙に、なんとか竹槍で挑んで生き残った。その世界を席巻したIBMも、パソコンの台頭と共にマイクロソフト帝国の前に影が薄くなった。盛者必衰の世の中だとつくづく思う。

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2020年6月25日 (木)

「富岳」が世界1位にランクイン

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蓮舫が「なぜ2位じゃダメなの」と指摘したスーパーコンピューター「京」の後継機種「富岳」が、世界1位にランクインした。日本理化学研究所と富士通が共同開発した「富岳」は、8年6カ月ぶりに再び世界トップの座に返り咲いた。現在は試験運用中だが、2021年から本格運用が始まる。富岳は今年の4月から、武漢ウイルス感染症の治療剤候補物質の選別作業に使用されている。2000種余りの既存薬物のうち、治療剤に使う候補物質を選び出す作業だ。富岳の計算能力は毎秒41.5京回を誇る。これは2位の米国「サミット」(14.8京回)を大きく引き離す。3位は米国「シエラ」、4位と5位は中国のスーパーコンピューターだ。既存の日本のスパコン「京」との性能比較例では、1年かかる実験を富岳なら数日で終えることができる。ところで、蓮舫が国会で、「今はクラウドの時代だ。サーバーなど時代遅れだ」と発言した事が話題になっている。政治家の程度の悪さには、呆れて物が言えない。東京アラートもそうだが、パーフォーマンスだけで発言しているのかと言いたくなる。安倍晋三首相にしても、裏口卒業の過去を隠して教育改革を叫ぶさまは滑稽だ。小泉進次郎に至っては、滝クリに寝取られた途端に、巣籠政治家になってしまった。いずれにしても、政治家が息を吐くように嘘をつくのは、国民を馬鹿にしているとしか思えない。親の七光で世間の苦労を知らない輩や、はったりだけで世の中を渡り歩いてきた連中に政治を任せておいて良いのだろうか。愚生の住む東京都でも、真面目に登庁しなかった「青島幸男」、余人を持って代えがたいと自分の息子に随意契約した「石原慎太郎」、5千万円が鞄に入らなかった「猪瀬直樹」、都税をワインやチーズ、家族族旅行に充て都民を食い物にした「舛添要一」と噴飯者の人物は多い。今の都知事もパーフォーマンスは行き過ぎるようだが、給料返納しながらも登庁し、真面目に都政に取り組んでいるようだ。過去の知事より成果はなくとも、大きなマイナスポイントは少ない。しかしながら、愚生は期日前投票では、右寄りの諸派の人物に投票した。もう一度スーパーコンピューターの話に戻すが、韓国電子版新聞には韓国勢では、韓国科学技術院の「ヌリオン」(1.8京回)が18位に入ったとある。ヌリオンは、米国クレイ社から購入したもので韓国製ではない。そもそも比較対象にはならない。それを恥ずかしげもなく、韓国は18位と書いている。それは開発したスーパーコンピューターのランキングではなく、保有しているスーパーコンピュータースと書くべきだろう。開発したスーパーコンピューターのランキングというなら、韓国はランキング外だ。韓国人の虚言壁は、何処から来るのだろうか。先進国の仲間入したという妄想というか願望が、相変わらず自らを虚飾するようだ。

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2020年1月10日 (金)

パブリッククラウド市場は既に勝負があった

N12_20200110083201 Microsoftは、AzureクラウドコンピューティングビジネスやOffice 365などのソフトウェアの販売の成功で、過去1年で50%以上も上昇している。モルガンスタンレーによると、Microsoftの株価は、さらに上昇する可能性があるという。そして、マイクロソフト株に対する目標株価を157ドルから189ドルに引き上げた。このレポートが原因なのであろうか、ここ数日マイクロソフトの株は上げ、昨日の大引けで162ドルまで上昇し、時価総額は1.2兆ドルとなった。アナリストは、パブリッククラウドと自社運用サーバーの両方を使用および統合する必要がある企業にとって、マイクロソフトは最高のクラウドプロバイダーであると指摘する。Windowsサーバーで構築されたシステムは多いだろうから当然だ。自社運用(オンプレミス)では、自社内で構築・運用するため、サーバー調達に期間を要すことや初期導入コストが高く、またインフラの管理・維持コストもかかる。しかし、データベースなどのキーとなるサーバーはカスタマイズを自由に行うために自社運用したい。情報セキュリティの観点から費用対効果などを踏まえて、利用形態が自社運用またはクラウド、または両方を共用する。ただ、世界の大手企業は、デジタル機能を構築するためにクラウドを選択することが多くなった。その結果、マイクロソフトも大規模なクラウドコンピューティング取引を獲得している。昨年後半、国防総省はマイクロソフトと、すべてのオプションを行使した場合、10年間で最大100億ドル相当のクラウドコンピューティング契約を結んだ。Azure がAmazonのAWS・Webサービスに商談で勝ったことから、雪崩をうって大企業や政府との大規模取引の可能性がある。他のウォール街のアナリストはマイクロソフトに対して好意的で、約91%が「買い」推奨、または同等の格付けをする。一方、国産クラウドの存在感が薄れゆく現状を象徴するニュースが相次いでいる。NTTコミュニケーションズはパブリッククラウドサービス「クラウド・エヌ」の新規受け付けを2019年12月1日に停止し、提供も20年12月31日で終了すると発表した。ユーザー数の伸び悩みが原因だ。今後は大企業向けのハイブリッドクラウドなどに集中し、パブリッククラウドからは事実上撤退する。そういえば、NTTコミュニケーションズは、大阪府茨木市で府内7カ所目の大型データセンターを12月1日に稼働させると発表したばかりだ。政府共通プラットフォームは「霞が関クラウド」は主にNTTデータが整備・運用を担当する。政府は2018年6月にクラウドを行政システムの第1選択とする「クラウド・バイ・デフォルト原則」を打ち出した。これ以降、初めてとなるクラウドの大型商談を日本のIT大手が獲得できなかったダメージは大きい。AWSや米マイクロソフトなどの大手は世界的な事業展開で規模のメリットを追う。AWSとマイクロソフトに続く米グーグル、米IBM、中国アリババ集団を含めた上位5社は既に世界市場の4分の3を寡占している。国産クラウドが改めて存在価値を示すのは容易でない。AWSとマイクロソフトの2社、もう一社入れたとしても米グーグルまでであろう。規模の違いで、この分野は既に勝負があったような気がする。

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2019年12月18日 (水)

粗利益がよく、差別化で高く売れる製品

8001pb111 富士フイルムホールディングスは、日立製作所の画像診断機器事業を買収する。買収額は1700億円台に達する見通し。東芝メディカルシステムズの時は、キャノンとの6000億円規模の争奪戦に敗れた。今回買収するのは、日立の子会社だった旧日立メディコの磁気共鳴画像装置(MRI)とコンピューター断層撮影装置(CT)、さらにその子会社が強みを持っていた超音波診断装置を中心とした画像診断機器事業だ。規模の拡大で、独シーメンスなど海外大手3社を追い上げる。東芝に続き総合電機の日立が医療部門を売却した。各社生き残りをかけて、事業再編が加速しているのだろう。調査会社の英エバリュエートによると、画像診断機器市場はシーメンス、米ゼネラル・エレクトリック(GE)、オランダのフィリップスの「ビッグ3」がそれぞれ世界シェアの2割強ずつ握り、合計65%を占めている。同市場の規模は2018年に前年比5%増の417億ドル(約45700億円)で、先進国では頭打ちだが新興国などを中心に増加傾向にあるという。日本では、総合電機企業が選択と集中で医療器部門を売却している。一方、複写機やカメラ・写真に強みを持っているキヤノン・富士フィルム・コニカミノルタが生き残りをかけて買収している構図だ。はっきり言って、この先複写機やプリンタは先細りだ。カメラとて、デジタル化で老舗のニコンやキヤノンは、ソニーに追い上げられ、越されているかもしれない。半導体撮像素子の断トツのソニーに対抗するのは容易ではない。忘れていたが複写機やプ゚リンタは、もう一社リコーも加わっての生き残りの戦いだ。今後伸びが期待できる医療機器は、夕日を拝みながらの市場で商売をする複写機メーカーには魅力なのだろう。キヤノンのシェアは9.5%と、ビッグ3に続く世界4位。今回の買収で富士フイルムは順位こそ5位のままだがシェアは8.4%となった。医療機器は、信頼と実績が物を言うから、新規参入は容易でない。企業買収が手っ取り早い参入方法なのだろう。愚生もサラリーマン時代は、営業の説明がなくても容易に売れる装置の開発を目指した。そして、粗利益がよく、差別化で高く売れる製品だ。コンピューター機器の周辺装置では、過去のアプリケーションとの互換性が最も重要だ。そのために、装置内のソフトウェア(ファームウェア)は、ゴミ溜めになるくらい複雑になった。今日は愚生の誕生日だが、未だにF社ではその機種が高値で販売されている。古い仕様を理解する人がいなくなったのだろうか。銀行の基幹システムも同様で、過去から延々と現在に引き継がれている。あたかも、人の記憶と同様に何が正しいかわらないため、過去を捨て去り切れないようだ。狂乱土地バブル後の1990年代半ばに開発していたが、それから四半世紀後に未だこのシリーズが販売されているとは思わなかった。

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2019年11月19日 (火)

夕日を拝む市場はいつまでも続くはずはない

N12 コニカミノルタの構造改革が出遅れているという記事があった。今から、20年位前以上だっただろうか。当時は、コニカとミノルタは別会社であった。ミノルタは、自社の製品をシステムに展開したがっていた。F社などのシステム機器が通常より数倍高値で販売されていたことが理由だろう。また、インターネットの接続の先駆け的に、複写機をWSP(ウェブサーバーパブリッシング)などと名付けて、市場にコンセプト製品を出荷してインパクトを与えていたことも一因だった。その装置(WSP100/200)の市場投入は、早すぎたせいで売れなかったが、愚生にとってはサラリーマン時代で最も日の当たる一時期だった気がする。昔を懐かしむ心は、すでに老人であることの証明だろう。コニカミノルタの話題に戻るが、今回また2020年3月期の決算予想の引き下げを公表した。システム展開を図るために、2018年からオフィスで必要なデータを管理、分析できるサーバソフトの売り込みに力を入れてきた。しかし、事務機市場の縮小をにらみ、次の収益源として顧客の業務改革推進を推奨するが、思うように進まないようだ。愚生に言わせれば、失敗すると思う。何故なら、複写機販売の営業は、その現場を切り取って業務改革を提案するだろう。しかし、業務データを管理する部門は、一元的に全社サーバーを統括する。複写機の要件などでは決まらないことが多いからだ。逆に言うと、現場の業務改革には、根幹をなす情報システムの業務改革が必要だ。システム部門とダイレクトに商談できるシステム営業やシステムエンジニアでなければ無理だろう。そうであれば、システムに強い大手メ-カーの独壇場になり、コニカミノルタの居場所はない。システム売り上げが予算通りには寄与しないだろう。2020年3月期の連結営業利益は前期比68%減の200億円になる見通しだという。7月末の予想をさらに400億円下方修正している。今回の新規事業も40億円分の引き下げ要因になるという。赤字予想の幅は昨秋の時点から徐々に広がり時間と共に成長の姿が見えにくくなっているのが現実だ。特に、山名社長は「デジタル時代に呼応したビジネスモデルは作りきれている」というが、独り相撲ではないのだろうか。その証拠に、2021年3月期に損益分岐点の1万件超えを狙っている計画線に対して、上半期の実績は大幅に下回ったとみられる。愚生が先ほど言ったことが、この社長には分かっていないようだ。コニカミノルタは、オフィスのペーパーレス化が進む中で事務機に利益の大半を依存する構造だ。リーマン・ショック前の2008年3月期には営業利益の69%を事務機事業が稼いた。2019年3月期も56%を占める。事務機市場が意外に底堅いことで何となく延命してきたが、夕日を拝む市場はいつまでも続くはずはない。事務機の失速で業績が厳しいキヤノンやセイコーエプソン以上に、深刻な問題だ。

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2019年11月18日 (月)

愚生の見る目は正しいだろうか。

Ing 米アマゾン・ドット・コムが、米国防総省を法的手段に訴えるという。アマゾンのクラウド部門は「JEDI」と呼ぶ国防総省の新システムの入札に関連して、米連邦請求裁判所に異議申し立てを行う。これは、米国防総省のクラウドコンピューティングを活用した情報システムの大型発注案件で、アマゾンが受注を失敗したからだ。米マイクロソフトに契約を取られたのは、政治的な影響だとの主張からだ。国防総省が準備を進めてきた情報システムは、契約金額は100億ドル(約1兆1000億円)というからアマゾンが異議申し立をするのも納得できる。アマゾンはクラウドで約3割の世界シェアを握る最大手だ。政治的な真偽はともかく、ジェフ・ベゾスCEOは、トランプ米大統領に批判的なワシントン・ポストのオーナーを務めていることが影響したとの見方が出ている。アマゾンは「当社は経験が豊富で、米国の軍事に欠かせない重要な技術を提供する資格を持っている」と主張する。そして、政府と選挙で選ばれたリーダーは、客観的かつ政治的な影響を受けない方法により調達を管理すべきだと批判する。トランプ大統領の意向がJEDIの入札に影響したかどうかは不明だ。やはり、JEDIは契約金額の大きさに加え、高い信頼性が必要となる軍事用途のため、アマゾンは受注したかったのだろう。受注や技術力の安定性的な企業評価は、ほかの政府案件や民間企業からの受注に大きく作用する。実は、アマゾンは自身もFBIからの受注で、信頼性への評価を高めたからだ。情報量の飛躍的な拡大で、システムの肥大化が級数的に増加してくる。クラウドの利用は当初、スタートアップ企業などに限られていた。しかし、大手企業や高い信頼性を求める政府機関、金融機関などにも普及してきた。これからの新規システムは、クラウド化への流れは止めようがない。法人向けが強いマイクロソフトは、こうした追い風を受けてクラウド事業を拡大している。長い目で見れば、基幹系システムにまでウインドウズサーバーが食い込んでいるため、マイクロソフトが有利との見方もある。なぜなら、ソフトはコピーすればコスとはゼロだ。多くのサーバ-ソフトを持つマイクロソフトは、それらを組み合わせたクラウドコンピューティングでも優位に立つような気がする。そう思って、愚生もアマゾン株を半分ほど処分して、マイクロソフトに変えてきた経緯がある。愚生の見る目は正しいだろうか。

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2019年11月 8日 (金)

半導体から量子へ「量子コンピューター」

01 最近は、量子コンピューター開発の記事が多い。愚生のような古いエンジニアは、コンピューターといえば2進法だと思ってしまう。そもそもなぜ2進法がコンピューターで使われたかといえば、電気回路のコストの問題からだ。電気回路で、「1」と「0」という状態を判別する回路は簡単だ。電圧があるレベルの「状態以下」か「以上」を判別すればよい。トランジスターのスイッチング状態(飽和領域)で簡単に作りだせる。3進法では、中間の値が「A<B<C」であれば、「A以下」と「C以上」という3つの状態を作り出す回路が必要だ。「ある」「ない」の方が、電気回路は遥かにコストが安く、信頼性が高い。そういう考えがこびりついてしまっているため、実現性を考えられると量子コンピューターを理解することが難解だ。量子コンピューターには、あらゆる計算処理が可能な「量子ゲート方式」と、最適な組み合わせを見つけ出す計算に特化した「量子アニーリング方式」の2種類がある。量子ゲート方式にはグーグルのほかIBM、マイクロソフト、インテルといった米IT大手が開発に取り組んでいる。この方式は、広範囲の分野での応用が期待できる半面、高速化と安定性の両立が難しく本格活用には20~30年かかるとみられている。量子ゲート方式や量子アニーリング方式では、超電導を起こすために絶対零度に近い極低温環境を作り出す必要がある。量子アニーリング方式は、2011年に世界で初めてカナダのDウエーブ・システムズなどが実用化し、商用化でも先行している。ただ、量子アニーリング方式は組み合わせ最適化計算にしか使えないという制約がある。一方、アニーリング方式は、量子現象を現行のコンピューターで疑似的に再現するため、超電導を起こすための冷却装置などはなくても常温で稼働できる。そのため、開発には現実的な方式のようだ。既存コンピューターの仕組みを発展させたデジタルアニーラは、実際の量子運動を計算に応用しておらず、厳密には量子コンピューターではない。膨大な選択肢の中から最適解を見つけ出す「組み合わせ最適化問題」に特化したコンピューターだ。そういえば、世界の企業に本格的なコンピューター活用を促した米IBMの大型汎用機「システム360」発売から55年を経た。半導体から量子へとコンピューターの頭脳が切り替わる「量子コンピューター」は、もうずいぶん前から展示会などでは紹介されている。量子力学特有の0でもあり1でもある「量子重ね合わせ状態」を応用するコンピューターが実用化されれば、人工知能(AI)などの分野で飛躍的な発展は間違いない。しかし、それを目にするまで、愚生がこの世にいるかどうか自身はない。

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2019年10月30日 (水)

システム事業を扱っている企業の業績が好調

Pb12_20191030091801 アマゾンやマイクロソフトは、レンタルサーバーが伸び好業績だ。システムのクラウド化によって、富士通やNECなどのシステム事業を扱っている企業が好調だ。2019年4~9月期の業績は、両社とも本業のシステム事業が伸びた。事業環境は、パソコンの買換需要や働き方改革を背景とした省人化投資に追い風だ。これまで進めてきた構造改革も、損益に寄与してきた。特に、人員削減の人件費負担が減った影響が着実にでている。ただ、ここにきて業績が上向いているのは、パソコンの需要が大きく伸びているからのようだ。米マイクロソフトの「ウィンドウズ7」は2020年1月にサポートを終了する。JEITAによると、4~9月期の国内パソコン出荷台数は、前年同期比で5割増加した。そのため、サポート切れ後に問題が起きたときに責任が問われかねない企業向けが好調だ。国内のパソコン市場は金額ベースでも5割近く増加している。当然、それを扱う富士通やNECも高業績が期待される。また、国内でも2019年度のソフトウエア投資は前年度比12.8%増というから、国内では公官庁や金融向けを中心にシステム投資が盛んだ。富士通などは、いち早く半導体や液晶などの不採算事業の売却を進め、事業をシステム中心にシフトした。惜しむらくは、パソコンや携帯電話を早期に切らなかった富士通山本元社長時代の経営失策が悔まれる。子供でも分かりそうなリストラが遅れたことは失笑に値する。両社とも従業員数を減らし、工場や建物などの有形固定資産を度縮小した。この事業のスリム化で、売上高に占める固定費の割合が低下するから、利益が増えやすい事業構造になった。そのせいで、両企業の株価は年初から上昇基調が続いており、富士通は31%、NECは40%も上昇した。生き残りのため、規模より収益性を追求して身を縮めた結果、富士通の売上高営業利益率は大幅増益の2020年3月期見通しで3.5%、NECも3.7%の黒字になる。しかし、米IBMの16%や米アクセンチュアの15%には大きく見劣りする。NECなどは、オービックにまで株価時価総額では逆転されている。いずれにしろ、両者とも次の成長事業をどのように育てていくかが課題になる。ところで、「乗り鉄」ファンには、近場では今年11月30日の相鉄・JR直通線の開業が楽しみだ。また、愚生の田舎では、富山地方鉄道と富山ライトレールが共同で、路面電車の南北接続を2020年3月21日に実施する。「南北接続」とは、富山ライトレール旧富山港線の軌道を富山駅直下に延伸し、先に開業した富山地方鉄道市内電車の富山駅停留場に接続する。運行開始に先駆けて、2020年2月22日に富山地方鉄道は富山ライトレールを吸収合併する。面白いことに、南北接続後の運賃は、現在の運賃が富山地鉄市内電車と富山港線の全区間で適用される。そのため、市内電車と富山港線を乗り継いだ場合、今はそれぞれ210円ずつ、合計420円かかっていたものが半額になる。こうした価格設定の背景には、富山市がコンパクトシティのために、マイカーからマイレールへモーダルシフトを進めるためだ。なお、南北接続当日運賃は無料にすることを検討中だという。今回の合併の77年前、富山地方鉄道とJR旧富山港線は(1941~1943年)同一鉄道会社だった時代がある。富山市の次の新規開業は、順調に進めば宇都宮市となる。2022年3月、宇都宮ライトレール(宇都宮LRT)のJR宇都宮駅東口~本田技研北門間14.6kmが開業する予定だ。「乗り鉄」のファンには、まだまだこれからも楽しみが多い。

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